漫画家で、タレントの蛭子能収さん(75)が書き下ろした新作の絵画19点を展示する「蛭子能収『最後の展覧会』展」が東京・南青山で開催されています。
■蛭子さん:
「これは一晩かけて描いたと思う。何か頼まれていたんでしょう」
こちらの作品「だまされた9人」のお値段は80万円。

蛭子さんは1973年、漫画家としてデビュー。90年代になると、大胆なコメントをする天然キャラで、数多くバラエティ番組に出演し、お茶の間の人気者に。
『競艇好き』のキャラクターでも知られました。

しかし、2014年に「軽度認知障害」と診断。2020年には「レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の合併症」だということを公表。最近ではテレビで見かけることも少なくなりました。そんな蛭子さんは今・・・
■蛭子さん:
「蛭子能収と申します。喋りは苦手でなんか必ず一人連れていきます。くだらない、くだらないちょっと返事を返して申し訳ないですね」
■一番のお気に入りの作品は?
■蛭子さん:
「あったけね・・・なんか分からないですね」
■一番大きい作品「だまされた9人」はどうですか?
■蛭子さん:
「これはちょっと立ち止まってしまったんですけど。すごいなと思って。だまされた9人って(タイトルが)面白いなと思って」

■タイトルは自分でつけたのですか?
■蛭子さん:
「いや・・・これ何か引っかかってるの?」
■マネージャー:
「(タイトルは)蛭子さんがつけました」
■蛭子さん:
「そうなの?あれ?ほんと?そっち(マネージャー)がつけたと思ってた」

蛭子さんは記憶が曖昧のようです。
現在は認知症の症状が進み、お風呂、トイレ、着替え、食事なども一人で行えず、
サポート無しでは日常生活を送ることがままならない状態だといいます。
散歩に出かける時も、基本、誰かが付き添います。
そのため、奥さんと2人暮らしの蛭子さんは、週に3、4回デイサービスを利用しています。


■絵を描きたいと思うことはありますか?
■蛭子さん:
「退屈な時ですね。なんか人が描いているのを見るとすぐに自分も描きたくなる」
「ヘタウマ漫画家」と呼ばれていた頃は、味のある人物画が主でしたが、
今は、色鮮やかで独特なタッチの抽象画です。
展示されている作品は30万円、50万円、80万円。


■ほとんどの絵が売れたみたいですが?
■蛭子さん:
「みんな慣れてないのかな?」
■値段はどうやってつけた?
■蛭子さん:
「どうやって計算したか分からないけど・・・全然わからないので。適当に・・・もしかしたら俺がかっぱらっているかもしれない」
と、冗談めかして話す蛭子さん

■マネージャー:
「売れた分のいくらかは蛭子さんに入るみたいですよ」
■蛭子さん:
「そうですよ」
■マネージャー:
「蛭子さん100万円くらいは入るかもしれないですね」
■蛭子さん:
「えー」
マネージャーさんによると、蛭子さんの「今の生きがい」は仕事。蛭子さんは今でも「お金を稼ぎたい」と話しているといいます。

ただ、今の蛭子さんにとって、絵を描くことは、他にも『大きな意味』があります。
マネージャーさんは「認知症にとって『指を動かす行為』は脳に良いとのことですし、何より本職は漫画家なので、最後まで描けるようサポートしていければと思ってます』と、『蛭子さんが絵を描く意味』を私たちに明かしました。

そんな蛭子さんに、「絵を描くこと」について尋ねると…
■普段、どんな時に絵を描きたくなる?
■蛭子さん:
「退屈な時ですね。人が書いているのを見たら、すぐ自分も描きたくなるんで」
■今後、どんな絵を描きたい?
■蛭子さん:
「全く描かないことはないけど…でもお金が無いので」
■マネージャー:
「描いたら、お金がもらえるんですよ」
■蛭子さん:
「そうだよね」
■蛭子さん:
「本当はずっと(絵を)描いていきたいです」
■まだまだ、いっぱい描きたい?
■蛭子さん:
「そうですね」

最後に、大好きな「アレ」について聞いてみると…
■最近は競艇はやってないのですか?
■蛭子さん:
「そうなんですよ。全然やってなくて。またやりたいです」

マネージャーさんによると
現在、蛭子さんの生活で、 一番の楽しみは
3度の食事と、おやつの時間だということです。
蛭子能収さんの個展「『最後の展覧会』展」はAkio Nagasawa Gallery Aoyama(東京都港区南青山)で今月30日(土)まで開催されています。
【担当:芸能情報ステーション】