なぜ“軍事衝突”?「ロシア」「トルコ」「ウクライナ戦争」

小川彩佳キャスター:
このナゴルノカラバフ紛争の背景を整理してもらえますか。

須賀川拓 前JNN中東支局長:
まず、アルメニアとアゼルバイジャン、2つの国があります。このアゼルバイジャンの中にナゴルノカラバフという地域がある。ここだけ見ると日本の視聴者の方には少しなじみが薄いんですけれども、地図を広げて周辺国を確認してみましょう。イラン、トルコ、ロシアといった、この地域の覇権を争ってきた影響力の強い国が出てくるんですね。中でも重要なのがトルコとロシアです。

小川キャスター:
ロシアはこの地域でずっと影響力を行使し続けてきた中で、アルメニアを支援しているわけですけれども、今回はあまりこの事態に介入しなかったんですね。

須賀川拓 前JNN中東支局長:
ロシアはアルメニアを支援していて、トルコがアゼルバイジャンを支援しているといった対立構図にあるわけですけど、ロシアがあまり介入をしてこなかった。

ウクライナとの戦争を最優先したいロシアは、黒海を通ってボスポラス海峡から地中海を抜ける航路が非常に重要になってきます。

ここはロシアにとっても、海上輸送の大動脈です。このボスポラス海峡をトルコに握られてしまっているということは、ロシアとしてもトルコを横目で見なくちゃいけない、あまりそこの緊張を高めたくないという思惑があるわけです。

小川キャスター:
敵対したくないという中で、大動脈を握られているわけですけれども、地域でのロシアの影響力が行使しづらくなっている。そして停戦合意に至ったということで、これは今後安定に向かっていくんでしょうか?

須賀川拓 前JNN中東支局長:
ここは慎重になる必要があると思っています。ナゴルノカラバフという場所にはアルメニア系の住人が非常に多く住んでいます。今回、一応停戦に合意はしていますが、ここに住んでいるアルメニア系住民の人権はどこまで保障されるか。

これ紛争でよくある話なんですけれども、紛争が終わったとしても、そこに住んでいる人たちの人権がどこまで守れるかは、大きな課題になります。国際社会はこれからちゃんとこの地域にも目を向けていかなくちゃいけないんじゃないかなと思います。