「ロシアは今アルメニアを失おうとしています」

一方、アルメニア国内の批判の矛先は政府以外にも…。

ロシア大使館にもデモ隊が押し寄せました。なぜ市民はロシア側に抗議したのか。

今回、軍事行動が行われたナゴルノカラバフは、アゼルバイジャン西部の自治州。住民約12万人の大多数がアルメニア人です。

旧ソ連が崩壊する1991年、アルメニア系住民が「ナゴルノカラバフ共和国」の樹立を宣言。アゼルバイジャンとの戦闘になりました。

1994年に停戦後、しばらくアルメニアによる実効支配が続きます。

しかし2020年、石油・天然ガスの開発を背景に軍事力を強めたアゼルバイジャンが、トルコを後ろ盾に大規模な攻撃を開始。この軍事衝突では6000人以上の死者を出し、ロシアの仲介で停戦しました。

ただ、アルメニアからすれば、アゼルバイジャンに支配地域の多くを奪還された形で、同盟国のロシアから十分な支援が得られなかったとして不満を募らせていたとみられます。

プーチン大統領は20日、アルメニアのパシニャン首相と電話会談し、ロシアの平和維持部隊の仲介で今回も停戦に至ったと自賛。アルメニア市民からは“ロシア離れ”が加速するという声も。

デモ参加者
「ロシアはウクライナ、モルドバ、ジョージアを失い、そして今、アルメニアを失おうとしています」

わずか1日で決着した今回の衝突。
アゼルバイジャンが軍事行動に踏み切った背景について専門家は…

慶應義塾大学 廣瀬陽子教授
「いま、ウクライナ(侵攻)の余波でアゼルバイジャンとヨーロッパの関係が非常に深くなっている。アゼルバイジャンは石油・ガスの産出国ですので、ヨーロッパがロシアからの輸入をやめるかわりに、かなりアゼルバイジャンに輸入先を振り替えているという現状がある。そういう意味でも、アゼルバイジャンは非常に強い立場にいる