旧ソ連のアゼルバイジャンが隣国アルメニアとの係争地をめぐり始めた軍事行動で、勝利を宣言しました。事実上、降伏した形のアルメニア側では政府への批判とともにロシアへの不満の声が広がっています。
記者
「アルメニアの首都エレバン中心部にある広場です。国旗が掲げられた建物が政府庁舎で、その周りを多くの市民らが取り囲んでいます。時折、『首相は裏切り者だ』というシュプレヒコールがあがっています」
アルメニアの首都エレバンでは、“事実上の降伏”を受け、数千人が抗議デモが行いました。
デモ参加者
「怒りを感じます。そして恥ずかしいです。どうしてこうなったのか知りたい」
アゼルバイジャンが19日に開始を表明した係争地ナゴルノカラバフでの「対テロ作戦」と称する軍事行動。アルメニア側は少なくとも200人が死亡したとし、現地のアルメニア人系勢力は武装解除を受け入れ停戦に合意。アゼルバイジャンのアリエフ大統領は「主権を回復した」と勝利宣言しました。
一方、アルメニア国内の批判の矛先は政府以外にも。
「ロシアは敵だ!ロシアは敵だ!」
ロシア大使館にもデモ隊が押し寄せました。
ナゴルノカラバフをめぐっては、2020年の軍事衝突で6000人以上の死者を出し、ロシアの仲介で停戦しました。
ただ、アルメニアからすれば、トルコの支援を受けたアゼルバイジャンに支配地域の多くを奪還された形で、同盟国のロシアから十分な支援が得られなかったとして不満を募らせていたとみられます。
プーチン大統領は20日、パシニャン首相と電話会談し、ロシアの平和維持部隊の仲介で今回も停戦に至ったと自賛。
アルメニア市民からは“ロシア離れ”が加速するという声も…
デモ参加者
「ロシアはウクライナ、モルドバ、ジョージアを失い、そして今、アルメニアを失おうとしています」
アゼルバイジャンとアルメニア人系勢力は21日、協議を開始。30年以上にわたるナゴルノカラバフの帰属問題が解決に向かうかが焦点です。
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