元富山市議で日本維新の会の上野蛍氏が、富山県議選の候補者に現金を要求し45万円を受け取ったとされる問題です。公職選挙法違反の疑いで富山地検に告発状が送られたことを受け、上野氏は21日会見を開き、現金は要求しておらず法律違反には当たらないと主張しました。

21日、富山維新の会の事務所で会見を開いた上野氏。県議選に維新の公認候補として出馬した福島陽介氏も同席し、告発された公職選挙法違反の疑いについて釈明しました。

上野蛍氏:「(告発状について)重要なそごが2点ございましたので皆様にお伝えします。まず1点目。私から金銭の要求はないこと。2点目、公職選挙法の抵触がないこと。この2点です」

告発状によりますと、上野氏は2023年4月に行われた県議選で福島氏の選挙対策本部長を務め、報酬として現金45万円を要求し、受け取ったとされています。

現金を受け取った理由について上野氏は。

上野氏:「後援会活動において広範囲にわたりサポートしていたため、福島さんからどうしても受け取ってほしいと申し出がありました。私からはお断りをしましたが、福島さんの思いに押されて一旦受け取らせていただきました。しかしその後、全額お返ししております」

福島陽介氏:「私としては申し訳ない気持ちが強く、志なので受け取ってくださいと懇願して受け取ってもらいました。上野蛍さんからは(現金を)要求されたことは1度もありません」

公職選挙法は車上運動員や事務員に対する報酬の支払いは例外として認めていますが、告発状では上野氏が選挙運動を行う選挙対策本部長だったことから例外には当たらないとしています。この指摘に対し上野氏は。

上野氏:「(現金を受け取った)期間は選挙活動期間中には当たらず、また、活動内容は後援会の活動であり、事前運動にも当たりませんので、公職選挙法に抵触していないことは記者の皆様もおわかりいただけることだと思います」

20日の時点では質疑応答に応じないとしていた上野氏ですが、会見では報道機関の質問に応じました。

毛田千代丸キャスター:「違法性の認識はなかったということですが、なぜ返金したんでしょうか」

上野氏:「もともと私自身は最初お断りしている立場ですし、ボランティアとして福島さんのサポートをできればと考えておりましたので、選挙後いったん落ち着いたときに、そういうかたちでお返しさせていただきました」

しかし、具体的な質問に及ぶと。

上野氏:「書面でお答えします」「書面で」「それも書面で」

書面での回答を連発。会見は30分程度で打ち切られ、報道陣からは説明を求める声が相次ぎました。

富山地検はまだ告発状を受理していませんが、上野氏らを告発した神戸学院大学の上脇博之教授は、公選法違反の買収に当たると主張しています。