「スーパー反応液」はトップシークレット。副産物は高価値のグリーン水酸化アルミニウム

――アルミと水が反応して水素が分離されるが、普通は膜ができてすぐ水素が出なくなったりする。
アルハイテック 水木伸明社長:
基本的にアルミはすぐ酸化するので、酸化皮膜ができるのですが、我々はアルカリの安全な液体を開発して、水素と水酸化アルミも同時に作ることに成功しました。その液体は繰り返し使えるようなスーパー反応液を開発しました。
――スーパー反応液だと反応がずっと続くのか。
アルハイテック 水木伸明社長:
基本的には能力を落とすことなく、水素で出ていく分だけ水を足してあげれば繰り返し使えるということで経済性が出ました。
――魔法にかけられたような気がする。スーパー反応液は、何かものすごく特別なものが入っているのか。
アルハイテック 水木伸明社長:
全く毒劇物ではなく、塩と砂糖と胡椒をミックスしたようなものです。
――その中身は?
アルハイテック 水木伸明社長:
トップシークレットで言えません。

原材料となるアルミ9kg450円から水素1kgが製造できる。価格にして350円で、これはEVの走行距離180km分になる。さらに、水酸化アルミ26kgが7800円分製造できる。
――水酸化アルミは何に使われるのか。
アルハイテック 水木伸明社長:
我々がエネルギーをかけずに取り出せる水酸化アルミの水準というのは、難燃剤といって非常にハイレベルな難燃性の材料です。これはカーテン、カーペット、建材、あるいは車のボディーや歯磨き粉などに使われます。我々が取り出せるのは、燃えにくくするカーテン、カーペットとか車のシートの裏にも練り込んであります。
――水酸化アルミが大変な価格で売れるので元が取れる。
アルハイテック 水木伸明社長:
これが経済性が一気に増したところです。通常、アルミとアルカリと反応すると、アルミン酸ナトリウムというゴミができます。我々は繰り返し使える液体の中で、アルミを分解して水酸化アルミにすることに成功しています。これは非常に価値の高いグリーン水酸化アルミなので、弊社の方に今グリーン水酸化アルミも欲しいよと。製品の中に混ぜ込んでいかないと、グリーン化ができないのだと。

熱量の単位である1ギガジュールで比較してみた場合、アルミ水素は8.3kg必要で価格は2893円。灯油やLPGガソリンなどと比べても安く、CO2を排出しないというメリットもある。
――どうして誰もこんなことに気付かなかったのか。
アルハイテック 水木伸明社長:
気づいておられた方いらっしゃると思いますが、面倒くさいじゃないですか。私はゴミは資源エネルギーをいっぱい入れて作ったものだと思っていました。だから、これを取り戻せたらいいなと思ってやったのですが、それは面倒くさいと思います。私も最初面倒くさいと思ったのですが、頼まれたので何とかしたいなと思って。
――それが今や現実のものになってきたということで注目を浴びている。
アルハイテック 水木伸明社長:
オンサイト事業といいまして、弊社のスタッフが装置を持ち込んで設置して、運転をさせていただく。このエネルギー変換費として我々は回収していくというビジネスモデルを考えています。
――アルミのゴミがあれば水素ができるということが今現実のものになりつつある。
アルハイテック 水木伸明社長:
もう身近でできます。
今後のビジネスの進展に注目したい。
(BS-TBS『Bizスクエア』 9月16日放送より)