北アルプスの難所「不帰嶮(かえらずのけん)」付近で山岳遭難が発生しています。40代男性とみられる登山者の「助けて助けて」と救助を求める声が聞こえていて、富山県警山岳警備隊が捜索を続けています。

警察によりますと、今月17日の午後0時5分ごろ、富山と長野の県境にある北アルプスの不帰嶮付近にいた登山者から「富山県側から助けてという声が聞こえる」と警察に通報がありました。

富山県警の山岳警備隊が捜索したところ、標高2500メートル付近で、自身の名前を叫び、助けを求める男性の声が聞こえ、18日と19日の2日連続で助けを求める声を確認し呼びかけにも応じているということです。

不帰嶮は唐松岳から北側に伸びる稜線の総称で富山県と長野県の県境にあたる上級者向けの登山コースです。尾根が連なっているため声が反響して居場所が特定しづらいほか、樹木が生い茂っているところもあり、捜索が難航しています。

遭難しているのは40代の男性とみられ、登山届が出されていて、10日から12日にかけて単独で登山をする予定でした。20日も富山県警の山岳警備隊6人が午前5時半ごろに県内を出発し、長野県側から入山して捜索を再開しています。