保険金の不正請求問題をめぐり、金融庁はビッグモーターと損保ジャパンに立ち入り検査に入りました。7月に新体制になったビッグモーターですが、元社員の男性は私たちの取材に「未だに給与が支払われていない」と訴えています。
損保ジャパンの“損害調査”の工程が消える

9月19日午前9時、ビッグモーターの保険代理店業務を統括する東京・多摩市の店舗に立ち入り検査に入った金融庁の検査官4人。1時間後には…
記者
「金融庁の検査官9人が厳しい表情で損保ジャパンの本社に立ち入り検査に入ります」
ビッグモーターがドライバーやゴルフボールで車にわざと傷をつけ保険金を不正に請求していた問題。
実態解明に動いた金融庁が重視している点の一つが、両者の間で導入されていた損害査定の省略についてです。

損保ジャパンからビッグモーターにあてた保険査定に関する内部資料によると、以前はビッグモーターが見積もりを作成し、画像を送った後、損保ジャパン側が損害調査を行っていました。しかしその後、損保ジャパンの損害調査の工程が消え、ビッグモーターの言い値で保険金の支払いが決まりかねない仕組みに変わっていたのです。
金融庁は査定が省略され、ビッグモーター主導で修理が可能になったことが、不正請求の温床になった可能性があるとみています。