ドングリ類がすべて「不作」の予想、なかには「凶作」も
富山県内では2023年はクマの出没が増えるおそれがあります。県の調査で、クマの主食となるドングリの実り具合は、ブナ、ミズナラ、コナラのすべてが不作となる予想で、なかでもブナは、県東部だけでみるとさらに実のつきが悪い「凶作」予想となっています。


2023年と同じ、すべて「不作」の評価だった2016年は、人身被害が3件発生したほか、目撃や痕跡情報は300件にのぼっています。クマの生態に詳しい専門家も警戒を強めています。
富山県自然博物園ねいの里・間宮寿賴さん:「平常年よりも特に県東部はクマの出没に注意が必要。9月下旬から10月上旬にかけてクマの出没が一気に増えてくるとクマが平野部まで多く出ることになり得るので、そのへんのクマの情報を注視していきたいなと」
出没が増えるのは9月下旬、つまりもう増えてもおかしくない時期になっています。
クマと遭遇しないためには・・・
▽クマを引き寄せる「柿の実」の撤去は今すぐに行う必要があります。
▽クマと遭遇しやすいのは山間部をはじめ、やぶに覆われた河川敷、河岸段丘崖の林などで、こうした場所の草を刈って、見通しをよくすることも大切です。

富山県自然博物園ねいの里・間宮寿賴さん:「クマがくる理由はやっぱり周辺に柿の実があったりとか。そういう食べ物がなければ一過性で通り過ぎたりするので、長時間クマがいることはないと思う。そもそもクマと出会わないために、誘引物を除去したりヤブを刈り払って見通しのいい環境を作ることで遭遇する機会を減らす方が人身事故に結びつかない」
クマに遭遇した男性は、周囲の柿の木をすべて伐採したほか、日課だった朝の散歩でも、今は山の方へ行くことはないといいます。

クマに襲われた男性:「まさかアスファルトがしてある道路に出てくると思わないものだから。山手の方はもう散歩するのは嫌になったね、怖くなってきた。
やっぱり山の方を歩く時は鈴とか撃退スプレーとか持ち歩いた方がいいと思うね」