アンモシーテスと呼ばれる幼生期には目がほとんどないのです。目やエラ穴は皮膚の下に隠れていて、成長するにつれて体の表面に出てきます。

清水孝昭さん
「変態すると目ができることを地元の方も知っていたのかもしれないですね。(空海が開眼させた)伝承に繋がっていった要素は多分にありますね」
ではなぜ愛媛県でヤツメウナギは絶滅したのでしょうか。清水さんによると、ヤツメウナギは1960年代頃に数が減ってきていたと言います。農地の水路などに生息していましたが、当時は農薬の規制が現在ほど厳しくなかったり、農地の水路がだんだんとコンクリートで固められていったりした時代でした。人間活動と近いところで生きていたが、故に絶滅してしまったと言うのです。

“こういった生き物が身近にいたことを過去の記録から読み取ってもらえれば”と、清水さんは話します。
今回の調査で分かったことは、ヤツメウナギは1個の目と7個のエラ穴を持っているということ。空海がヤツメウナギの目を開眼させたという伝説は、ヤツメウナギの変態をあらわしたものかもしれないということ。

番組調べ
※ヤツメウナギ(スナヤツメ)はまだ生息している地域もあります。