3年前、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い中止となった高校球児の夢の舞台「夏の甲子園」。失った「あの夏」を取り戻そうと、11月に当時の球児が甲子園に集うイベントが行われます。富山から参加するOBの思いを取材しました

17日、久しぶりに集まったのは3年前、ともに甲子園を目指した仲間たちです。

現役時代と同じようにとは行きませんでしたが、かつてのようにともに汗を流しました。

高岡第一高校 野球部OB:「どうやった?いい感じ?」「これは高校のやつです。練習着というかジャージ」

2020年に高校3年生だった高岡第一高校の野球部OB。

高校生活最後の夏、新型コロナウイルスの感染拡大により、戦後初めて全国高校野球選手権大会が中止になりました。

長井隆輔さん:「もう終わった。みたいな引退かみたいなのを一番に考えて」

しかし富山県では、甲子園には繋がらないものの、3年間の青春をかけて打ち込んだ高校球児の思いを汲んだ、独自の大会が開かれました。

高校生活最後の夏に様々な制限を強いられながらも46チームが出場。

結果、高岡第一が頂点に立ち39年ぶりの夏制覇を果たしました。

ただ、本来であれば県代表として甲子園の舞台に立てるはずでしたが、その夢はかなわず高校球児の夏は終わりました。

インタ:「勝ったけどやね。不完全燃焼やね。勝ったけど終わりかみたいな感じだった」「自分たちでも甲子園行っても勝てるんじゃないかってあったんで。たらればですけど。あったらいいところまで行っていたんじゃないかなって思います」

高校卒業してからもその思いを募らせ、中には実際に夏の甲子園を見に行った人も。

インタ:「楽しそうだったっすね」「めちゃくちゃうらやましいですねやっぱり。すごいアルプスとかの盛り上がりとか見て、自分たちが行った時の想像してなんか悲しくなるみたいな。こんな感じでやりたかったなっていう気持ちはありますね」

しかし、同じくやるせない思いを抱いた東京の同世代が「あの夏」を取り戻そうとことしの11月に当時の高校球児を集めたイベントを企画。

甲子園球場でのセレモニーや特別交流試合のほか、別会場で交流戦も行われます。

参加するのは現時点で44チーム、およそ1000人。2020年に各都道府県で実施された独自大会で優勝したチームや上位に進出したチームが集います。

県大会を制覇した高岡第一にも声がかかり、当時の3年生19人全員が参加する予定です。

インタ:「当時のメンバーとまた野球ができるっていうのは、一番心が動いたというか。ワクワクする部分ではありますね」「どんな景色か見てみたいのですごくうれしいですね」

「一番は親、両親、できたら高校の監督・コーチも甲子園に一緒に行って最後は(県)優勝で終わっているので最後は甲子園で終われるのがベストかなと思います」

11月29日から12月1日の期間に開かれる「あの夏を取り戻せプロジェクト」は、甲子園球場の設備使用料などイベントの資金を、クラウドファンディングで募っています。

まだ目標金額には届いておらず、イベント開催に向けて協力を呼びかけています。