宮城県が構想する仙台医療圏の4病院再編についてです。仙台市青葉区の東北労災病院が14日、「移転には審議会の承認が条件」との認識を示したことを巡り、15日の県議会本会議で村井知事は改めて「審議会の承認は必要ではない」との考えを示しました。

村井知事:
「県としては、精神保健福祉審議会の承認が得られなければ、基本合意が出来ないものではないと認識している」

これは、15日の県議会本会議で村井知事が述べたものです。県の4病院再編構想は、東北労災病院と県立精神医療センターを併設して富谷市に、仙台赤十字病院と県立がんセンターを統合して名取市に移転するものです。

さらに、県は名取市の県高等看護学校の跡地に、新たに民間の精神科病院を誘致する案を示しています。

しかし、審議会では、県の計画やその進め方に対し委員から反対意見や怒りの声が次々に上がっていて、東北労災病院では14日、移転に反対する市民団体に事務局長が「統合・移転には審議会での承認が条件」と伝えたということです。

このため、県議からは4病院再編構想に異論が相次ぎ、村井知事は東北労災病院を運営する労働者健康安全機構の有賀徹理事長と電話で会談したことを明かし、理解を求めました。

村井知事:
「労働者健康安全機構の有賀理事長に直接私が確認したところ、『機構としては審議会の承認の有無にかかわらず、精神医療センターの移転を県が決めた場合は、基本合意に向けて協議を進める』との話があった」

こうした中、市民団体が15日、県議会を訪れ陳情書を提出しました。陳情書では、再編構想について、県が県民に十分な情報提供を行うほか、患者や医療関係者らに意見聴取をしたうえで、丁寧な議論をするよう求めています。

ともに市政をつくる仙台市民の会 新里宏二会長:
「(知事が)自分を止められるのは県議会だけなんだと話した。そうすると民主主義を体現する選挙で選ばれた議会議員に今、良識を発揮していただきたい」

また、市民団体は、当事者抜きで話をすすめることは「障害者権利条約に反する」などとし構想の撤回を主張しました。