「200時間超の時間外労働・100日連続勤務」判明した過酷な勤務実態

 晨伍さんを自殺に追い込んだのは何だったのか。病院は弁護士などの第三者委員会を立ち上げて晨伍さんの勤務実態などを調べたが、その調査結果について遺族にはプライバシーの保護を理由に説明しなかった。
7.jpg
 自身も医師で、病院との窓口になった晨伍さんの兄は次のように話す。

 (晨伍さんの兄)「どうして亡くなったのかを知りたくない家族なんていないと思うんです。そのためには勤務実態がどうであったのかしっかりと説明してほしい。誠実に向き合ってほしい」
8.jpg
 晨伍さんが亡くなって4か月が経った2022年9月、遺族は西宮労働基準監督署に労災申請。すると過酷な勤務実態が浮かび上がってきた。労基署が調べたところ、亡くなるまでの晨伍さんの1か月の時間外労働は207時間50分。過労死ラインとされる100時間を大きく上回った。さらに自殺するまでに100日連続で休みなく勤務していたこともわかった。

 西宮労働基準監督署は2023年6月、「晨伍さんは極度の長時間労働により精神障害を発症し自殺した」などとして労災認定した。