厚生労働省によりますと、2022年の自殺者数は全国で2万1881人で、前年に比べ874人増えました。男女別では、男性が13年ぶりの増加、女性は3年連続の増加となっています。女性の増加傾向について専門家はコロナ禍による労働環境や生活環境の変化が影響しているのではないかと指摘しています。

去年1年間の人口10万人当たりの自殺者数は19府県で低下、28都道府県で上昇しています。最も低かったのは徳島県で12.5、次いで神奈川県で14.5、京都府で14.6となっています。

大分県内の自殺者数は2020年から3年間、男性(20年158人、21年135人、22年126人)が減少している一方で、女性(20年56人、21年53人、22年60人)は去年、増加に転じています。

コロナ禍で増えたとされる女性の自殺。その背景について約40年にわたり自殺予防を研究している県立看護科学大学精神看護学の影山隆之教授に聞きました。

県立看護科学大学精神看護学 影山隆之教授

影山隆之教授:
「コロナ禍で非正規雇用の方の雇い止めが増えている。その中で女性の仕事を失った方が多いのではないか。そういう方が多い地域で自殺が増えているのではないかといわれている」

また、会話の機会が減ったことも一因とみられているといいます。

影山隆之教授:
「絆がなくなったときに女性の方が影響が大きいのではないか。女性は話し相手がたくさんいることで支えられてきたけれども、コロナ禍でそれが失われ、女性も男性並みに苦しくなってきやすい」

国の調査では4人に1人が「これまでに自殺を考えたことがある」と回答。一方で、心の整理や周囲の対応で防ぐことも可能です。

影山隆之教授:
「不利な条件が重なれば誰でもそこまで追い込まれる可能性はある。特別弱い人だけがそうなるのではない。助けてとか苦しいと言えた時点で人は少し楽になりますし、本当に大変な人の話は誰でも聞いてあげることができればそれだけで役に立つ」

<電話相談窓口>
◆#いのちSOS
フリーダイヤル0120-061-338
日、月、火、金曜は24時間、その他の曜日は午前6時~翌日午前0時

◆いのちの電話
フリーダイヤル 0120-783-556
毎日:午後4時~午後9時
毎月10日:午前8時~翌日午前8時