18年振りのリーグ優勝へ、首位をひた走る阪神・岡田彰布監督(65)を直撃した。チーム防御率2.65と495得点は12球団トップ(※11日現在)。2軍の試合もすべて見ているという岡田監督の語る、1軍で活躍できる選手の“岡田流”の見分け方とは。現役当時、歴史に残る“バックスクリーン3連発”を岡田監督から浴びた、ミスターパーフェクト・槙原寛己さん(60)が聞いた。
槙原寛己さん:今年岡田監督に代わって盗塁の数も、他のチームと得点数も明らかに全然違うじゃないですか。(12球団トップの495得点※11日時点)
岡田彰布監督:盗塁はね、そんな増えてないと思うよ。走れる選手も多かったけど、他の球団に比べたら多いけど、だからねなんていうか、盗塁はね、去年よりもサインで締めるようにした、盗塁は。もう要らんときに行くなっていうか。(チーム盗塁数は66※11日時点)
槙原さん:逆にですか?
岡田監督:逆に逆に盗塁は。
槙原さん:もう走らないでくれと、行けるときは行っていいぞと。その代わりサインで行けと。
岡田監督:盗塁はサインで全部決めた、おーん。だから減ってると思うんだけどね、数的にはね。でも大事なときにはやっぱり走ってるから、得点取ってるときはね。
槙原さん:やっぱり盗塁できないチームとかも結構いたりするじゃないですか。横浜とかジャイアンツとかもそんなでもないと思うんですけど。そういうところだと競ってる試合での盗塁って大きいですもんね。
岡田監督:大きい、そら大きい、おーん。だからもう二塁打になるからね、はっきり言って。後半競ってると、後ろのピッチャーの方が牽制とかもしないもんねあんまり。クイックも後ろのピッチャーの方が大きいね。先発は走られるって気にするよね。後ろのピッチャーはやっぱり自分のボールで抑えたら終わりやみたいな、そっちの方の比重が大きいね。だから勝負どころで7回以降の方がよく走れる。
「柱にならないかんのはね青柳、西よ」
槙原さん:岡田さん、やっぱり今年は磐石じゃないと思うんです。ピッチングスタッフ。
岡田監督:全然盤石じゃないよ。
槙原さん:なのに、防御率は相変わらず良いんですよ。この辺はどういうふうに・・・
岡田監督:いやそれはね、村上(頌樹、25)、大竹(耕太郎、28)ね。
槙原さん:頑張ってくれましたね。
岡田監督:だから本当刺激はあるよ。本当はね、柱にならないかんのはね青柳(晃洋、29)、西(勇輝、32)よ。それがあかんでしょ。
槙原さん:青柳がちょっと、もうちょっとだったから・・・
岡田監督:先発陣で一番悪いのが青柳と西よね。防御率が4点台と3点台だもんね。
槙原さん:でもリリーフも含めてやっぱり湯浅(京己、24)もケガをしたんだけど、そちらの方が悪くなったって感じもないじゃないですか?リリーフの防御率。
岡田監督:俺、湯浅はね。全然見てないんよ、ほとんど。WBCに行ってたから。だから、湯浅は去年のね、11月キャンプ入ったけど、もうゲームもあってWBCのボールでピッチングしてたね。それ見たときに「大丈夫かな?」と思った。2月のキャンプも別のWBCのボールでね、ピッチングしてたでしょ。「これはひょっとしてもたんのちゃうかな」と思ったね。そのボール見てね。ボールが違うからああいうボールになってるのかわからなかったけどね。だから、他は作らないといけないなとはもう最初から思ってた。
槙原さん:そういう面では急に慌てることなく、他の選手たち、例えば島本(浩也、30)にしても桐敷(拓馬、24)にしても・・・
岡田監督:石井(大智、26)とかね。これはもうあいつらが疲れたら、大丈夫かなと思ってたね。
槙原さん:見事に埋めてくれましたよね。
岡田監督:本当にもう、いやいや、湯浅1人以上埋めてるよ、はっきり言って。
槙原さん:マウンド度胸ありますよね、島本とか普通にピンチに行っても。
岡田監督:だから、「お前はランナーいてるときようや」って言った、島本には(笑)桐敷は頭からいくと思うけどね。
槙原さん:やっぱり選手たちも使われる場面というのがはっきりわかってるから。
岡田監督:桐敷もね、先発で巨人戦で勝ってね、おーん。良いボール投げるのに先発陣が村上、大竹でまだ2人増えたでしょ。なかなか順番回ってこなかったんよね、桐敷にも。だからフレッシュオールスターでね、9回に抑えで投げたんよね、桐敷が。ビシッと3人抑えたんよね。それをちょうど見てて「これ桐敷は、リリーフの方がタフやしねいけるんじゃないか、適性あるな」と思ってそれで入れた。あのフレッシュオールスターの後からよ、桐敷は。それまでずっとファームの先発だったからね、順番待ちだね結局は。