【グリーンフォレスターズ青葉組新潟団 三浦愛子さん】
「これがスギの苗…」

植えられていたスギの苗木

作業に携わる皆さんは、山間の急な斜面もなんのその。1本1本の苗木を見落とさないように、機械を使って丁寧に周りの草木を刈り取っていきます。

【グリーンフォレスターズ青葉組新潟団 佐藤剛さん】
「ちょっと先端が淡い緑色になっているじゃないですか。これが今年伸びていく芽になるのです」

苗木の成長を確かめることがやりがいとなり、重労働の下刈り作業も頑張れるそうです。

以前、新潟県村上市の林業会社に勤めていた佐藤さんは、木を植える“造林業の担い手不足”の問題を強く実感していたそうです。

【グリーンフォレスターズ青葉組新潟団 佐藤剛さん】
「木材を収穫する“主伐”の後、次の苗木が植えられずにそのままの山をいくつか見てきて、植える人がいないというのが一つ問題だと身に染みて感じたので、その役割を僕が担ってみたいなと」

林野庁によりますと、伐採を業務とする新潟県内の森林技術員の数は2015年の67人から2021年には93人に増えている一方、造林を業務とする技術員の数は2015年は335人だったのに対して、2021年は234人と減少しています。

さらに、造林面積は1965年に4700haでしたが、30年余りの間に10分の1に減少。近年は50ha程度で推移していて、1965年と比べて、わずか1%程度にまで減少しています。

「下刈り」などにかかる山林の整備コストは伐採した木材の販売収入を上回っていて、儲けが出ないために企業は造林事業に消極的だと佐藤さんは話します。
全国的に見ても、木を伐採した後に植林する森林は3割程度だそうです。

持続的な森づくりを目指す『グリーンフォレスターズ』の取り組みに共感した佐藤さん。中井照大郎社長に直談判し去年10月に「新潟団」を立ち上げました。
当初、中井社長は新潟への進出を予定していなかったそうです。

【グリーンフォレスターズ 中井照大郎社長】
「佐藤さんの熱意に押された形で、この地域の森づくりを盛り上げていこうと」