■東京の大気中にも"プラごみ"が!? 大きさは0.013ミリのものも…
私たちは、東京・新宿区にある建物の屋上を訪ねました。
山本恵里伽キャスター
「新宿といいますか、東京全体が一望できる場所ですね」
早稲田大学・大河内博教授
「なかなかこれだけ高いところで観測ができるっていうのはあまりないんですよね」

プラスチックごみの拡散は水中だけに留まりません。最新の研究で大気中にも、拡散していることがわかってきました。
早稲田大学の大河内博教授は、校舎の屋上に設置した観測装置などを使い、大気中に含まれるプラスチックの微粒子=マイクロプラスチックを調べています。

マイクロプラスチックとは、プラスチックごみが自然界で細かく砕かれたものや研磨剤などに使われる微粒子など、5ミリ以下の大きさのものを指します。
早稲田大学・大河内博教授
「例えば海洋マイクロプラスチックが今注目されているのは、まだ目に見えるからなんですね。空気の場合は目に見えないので、どれくらい大変かがわからない。そこがやっぱり問題だし、怖いところ」
大気中で見つかったマイクロプラスチックの直径は0.013ミリと、目に見えないほどの大きさです。

■1年間に吸う大気中の"プラごみ"は?
今年1月の観測では、新宿の大気中から1立方メートルあたり6.5個のマイクロプラスチックが確認されたといいます。
早稲田大学・大河内博教授
「1日吸うと大体94個ぐらい吸うということになって、1年間にすると3万4000個ぐらい」
2019年には、富士山頂でポリ袋の原料になるポリエチレンなど、様々な種類のプラスチックが検出されたほか、世界中の大気から確認されているといいます。

山本恵里伽キャスター
「健康への影響というのはわかっているんですか?」
早稲田大学・大河内博教授
「現状ではわかっていません。海外の研究では肺の奥から見つかってはいるんですね。肺に入ってしまうと、そこにずっと長期間とどまってしまう。今、そこを世界的に研究を進めているという状況です」
