ただ実は、同じ年にまた大きな出来事がありました、それが8月。日本でもここで有名になったと言ってもいいかもしれませんね、「Dynamite」のリリースです。世界的な大ヒットとなりました。この「Dynamite」、実は初めて全歌詞が英語曲という、BTSにしては大変珍しい曲調でした。そして、韓国人歌手として初めてアメリカビルボードの「Hot 100」1位を獲得しました。本当にここで上り詰めたんじゃないかという感じがあるわけですね。しかし、リーダーのRMさんは「この『ON』と『Dynamite』まで、僕たちのチームは手の上にあった感じだったのに、僕たちのチームはどんなチームなのか分からなくなりました」と話しました。特にRMさんはほとんどの作詞などに関わっているので、どういったものを発信していくのか。自分たちが何者なのかが分からなくなったと、この会食の中で話していました。

さらには、アイドル全体のあり方についても問題提起をしたんです。RMさんは「問題はアイドルというシステムそのものが人間を成熟させてくれない、自分が成長する時間がないんです」と告白しました。
ただ、いつも必ずネガティブなことばかりを言わないのが、J‐HOPEさんなんですね。ソロ活動について、「(ソロ活動への専念は)BTSのチャプター2へ行くためにとても重要な部分ではないかと思っている」というふうに語りました。

ホラン千秋キャスター:
本当に様々な思いを抱えながらメンバーの皆さんはお話してくださったんだろうなというふうに思うんですが、皆さんは何に最も苦悩していたというふうに思われますか。
映画ジャーナリスト評論家 立田敦子さん:
「Dynamite」のお話がありましたけれども、「Dynamite」の後に「Butter」と「Permission to Dance」という英語曲を出します。BTSというのは、自分たちの言葉で自分たちの音楽を発信するというコンセプトのもとにやってきたわけです。韓国語で歌いながらこれほど世界的なスターになったっていうところが素晴らしかった。そして、そこに誇りを持っていたんですが、この英語で歌ったことによって、自分たちの音楽というものをちょっと見失ってしまった。自分たちはどこへ行っていいのか、自分たちの言葉がどんなものかが分からなくなってしまった、そこに一番苦悩していたんじゃないでしょうか。
井上貴博キャスター:
BTSの皆さんの活躍もあって、韓国の芸能文化というのが大変高く評価されてるわけですけど、このアイドルのシステムとか労働環境とか、そういったものに変化というのは、これを機にありうるんですか。
映画ジャーナリスト評論家 立田敦子さん:
BTSはやはりK-POPのトップですから、自分たちがお手本にならなきゃいけないという意識も強いと思うんです。なので、世界を回ってる中で働き方改革に関していろいろな意見を聞いてきている。その中で自分たちがお手本になろうという意識も強いと思います。
井上貴博キャスター:
お手本になるために、自分たちが発信すべきことを発信して、ソロ活動で邁進していくと。