コメを出荷する各農協に全農県本部が支払う前払い金、「概算金」が決定し、今年の「ひとめぼれ」は60キロあたり1万2000円で、去年に比べて1200円、11%ほど増額されました。コメの概算金が去年より上回ったことについて、燃料などの生産コスト上昇に苦しむ宮城県内の農家からは「ほっとしたが、コメを意欲的に生産できる金額にはほど遠い」という声が聞かれました。
稲穂が実る登米市南方町。ひとめぼれやササニシキなどを栽培する阿部善文さんは示されたコメの概算金について「農家として評価したい」と話します。
コメ農家 阿部善文さん:
「まずはひと安心、ほっとした。去年までの価格では到底農家にとってみればやりきれない金額だったので、それにプラスしてもらえたことは、ちょっとほっとしている」
阿部さんは、厳しい経営に配慮してもらったとは感じていますが、概算金の上がり幅が少ないと訴えます。
コメ農家 阿部善文さん:
「後継者がやる気を持って取り組める価格となるとそれにもう少しプラスという気持ち」
上昇が続く乾燥機の燃料代を抑えるため、阿部さんはできるだけモミが乾いた状態で、まもなく始まる稲刈りを進めたいと考えています。

コメ農家 阿部善文さん:
「実り具合は非常にいいので、我々農家を応援してもらうためにもう(ごはんを)一杯おかわりして食べてもらい、消費で応援してほしい」
概算金の増額は歓迎だが、価格転嫁が消費者のコメ離れにつながらないか、生産者は不安が晴れない秋を迎えようとしています。