「味覚の秋」…2023年も新米の季節がやってきました。
長野県・松本市では5日、ブランド米「つきあかり」の初検査が行われ、最高級の1等と判定されました。

一方、米の生産量全国1位の“米どころ”、新潟県では、危機感を募らせる事態が…

JA新潟中央会 伊藤能徳会長
「異常高温と乾燥が発生し、その後高温が続いたことから、収量への影響や1等米比率の低下が避けられない

記録的な猛暑がイネの発育にも影響。稲刈りも例年に比べ、1週間ほど早く始まったといい、品質の低下が懸念されているのです。

影響はそれだけに留まりません。

地元の米農家
「こりゃまあ販売にはなりませんわ」

記者
「これ枯れてしまっているんではないでしょうか。イネが黒くなっています

葉っぱまで黒っぽく枯れ、ぐったりしたイネ。当然、売り物にはなりません。被害は約11ヘクタールにのぼるといいますが、一体、何があったのでしょうか。

新潟大学農学部 三ツ井敏明教授
想定外の高温になっていますし、また水不足、渇水という問題も起こってます。さらに塩害というような事が起こっている」

こう話すのは、田んぼの現地調査を行った新潟大学の三ツ井教授です。

新潟市では猛暑に加え、8月は雨がほとんど降らず。この地域は、海から約10キロ離れていますが、雨不足で近くの川の水位が下がったことで海水が逆流。農業用水に海水が混ざり、塩害が起きたというのです。

新潟大学農学部 三ツ井敏明教授
「一般の土壌と比べて(塩分)濃度が7倍くらい高いということが分かりました。お米が小さいし、今回の塩害ではほとんどお米が出来ていない状況だと思います」

収穫を前に農家は…

地元の米農家
「自信を持って作っていた田んぼだから、こんなになったのは初めてなんですよ。塩害なんて想定なんかしてませんでしたから」

猛暑による異変はあったものの、三ツ井教授は「米そのものの出来は良い」と話します。

新潟大学農学部 三ツ井敏明教授
「とれたお米は間違いなく美味しいかと思いますので、ぜひお米を味わって頂ければと思います」

“出来はいい”という新米をやはりおいしく食べたい。

Nスタが取材したのは、都内にある「おいしいごはん」をコンセプトにしたレストラン「象印食堂 東京店」。平日にもかかわらず、多くの人でにぎわっていました。

「めっちゃ美味しいです」

ごはんおかわり自由だというこちらのお店。9月から秋のメニューを取り入れています。

「美味しい。すごくつやつやして。新米みたい」

こちらでは9月中旬ごろ、新米を入荷予定だということですが、自宅でもおいしく炊けるポイントを聞きました。

象印マホービン・事業推進グループ長 北村充子さん
「新米に関しては、かなり水分量が多く出来上がってきますので、いつもの水加減よりも控えて炊飯していただくのが一番いいと思います」