このように水などが“レンズの役割”をはたして起きる火事を「収れん火災」と呼びます。でも、本当に太陽と水で火が起こるのでしょうか?

新潟県十日町地域消防本部に協力してもらい、実際に検証してみました。
まず、ビニールハウスの天窓部分に水をため、その下にシートを敷きます。この日は太陽の光はさほど強くありませんでしたが、それでも水によって屈折した光は一点に集中。

数分ほど待つと、うっすらと白い煙が!
見てみると、シートは熱で縮み穴が開いていました。

別の日に行った実験では、勢いよく煙が出て火が上がっているのがわかります。
水の入ったペットボトルを使った実験でも、この通り。光が集まると、1分ほどでシートに穴が開きました。
収れん火災の危険は日常生活に潜んでいます。

例えば、机の上に置いた鏡やガラスの花瓶、さらには金魚鉢や水が入ったペットボトルも!どれも家の中などにあるものですが、太陽の光が届くところに置いておくと、これらがレンズの役割を果たしてしまい、火事につながる恐れがあるのです。小学生のとき、虫眼鏡と紙を使い、光を集めて紙を焦がす実験を覚えていますか?
これと同じ原理です。