新型コロナの影響で3年ぶりに実施した、地域の恒例行事です。
岡山市南区の高校で調理技術などを学ぶ生徒が菓子を手作りし、ひとり暮らしの高齢者の家に届けました。
■菓子を手作りする女子高校生たち


食べる人のことを考え、心を込めて菓子を作っていきます。

岡山県立興陽高校・家政科の3年生19人が取り組んだ「宅配お菓子」です。地元の1人暮らしの高齢者に菓子を配ります。30年近く受け継がれる家政科の恒例行事ですが、コロナの影響で3年ぶりの実施です。
■菓子に使う黒大豆を「栽培する」ところから始めた
久しぶりに菓子を届ける今年は「興陽らしさ」を大切にしたといいます。

(興陽高校家政科3年 矢野寧々さん)
「自分たちが2年生の時に作った黒豆を、煮豆に使っている。興陽高校産の米粉とかを使っています」




コロナ禍で調理実習ができなかった昨年5月。家政科として初めて黒大豆の栽培を始めました。
今回の菓子作りでは、自分たちが育てた黒大豆のほか、興陽高校産の卵や米粉などを使ったレシピを考案しました。いままでにない経験になったといいます。

(興陽高校家政科3年 高橋望愛さん)
「自分達で作って、収穫して、煮たり濾したりして。自分達で一からやるので面白いです」

■完成した菓子を一人暮らしの高齢者に届けると・・・
ラッピングも生徒がデザインしました。食べる人を思って作った全9品の菓子。さっそく、ひとり暮らしの高齢者の家に届けます。

「興陽高校から来ました」
3年ぶりの交流です。

(地元の高齢者)
「涙が出る。ありがとうございました」
(記者)
「生徒さんから久しぶりにお菓子いただけるのはどうですか?」
(地元の高齢者)
「うれしいです、このような物をいただけて。ありがとうございました」

(興陽高校家政科3年 昼田阿子さん)
「笑顔で受け取ってくださって、すごくうれしい気持ちになりました」

(興陽高校家政科3年 西川紗矢さん)
「普段の授業では、誰かにお会いして、届けたり、ということはないので。作ってくれる人に自分の思いが届くように、工夫をしながら考えたりだとか、すごく人の気持ちに寄り添える事ができるきっかけになったのではと思います」

相手の顔が見えることで感じる、作ることの喜び。調理師や栄養士などを目指す生徒の菓子は地域に笑顔も届けました。