相談して初めて気づく「不登校の理由」
また実際に相談を受ける中で、子どもの登校拒否の理由が見えてきたケースがあるといいます。
(山口智之院長)
「問診をしていく中で、いじめが発覚したことが何回かありました。これは保護者も気づいてなくて、病院を受診して初めて気づいた。いじめが見つかった場合は教育委員会に連絡して、教育委員会や学校で対応してもらい、お子さんがすごく生活しやすくなったケースもあります」
山口院長は子どもたちに対して、保護者や学校の先生、スクールソーシャルワーカーの先生、スクールカウンセラーの先生に相談してほしいと話します。一方保護者に対しては、家庭だけで抱え込まず「子ども家庭支援センター」「児童相談所」などの行政機関や医療機関を頼ることを推奨しています。また本当に登校拒否なのか、単なる登校しぶりなのか判断が難しい場合、身近な手段として無料通信アプリLINEで利用できる医師監修の「学校休んだほうがいいよチェックリスト」などを使って、子どもの心身の状況の確認してほしいとしています。


子どもたちが「欲しい言葉」「傷つく言葉」
実際に不登校の経験がある未来学園大分校の生徒たちは、夏休み明けに登校できなかった当時、周囲からの言葉で辛い思いをしたと明かします。
(生徒)
「プレッシャーに感じることが嫌かな…『なんでまだ学校行ってないの?』とか『早く行きなさい』みたいな」
「『行かなくていいよ』っていう無責任な言葉がいやだった。単位もあるし行かなきゃいけないよなって思ってるけど『行かなくていいよ』って言われるから、どうすればいいのか分かんなくなっちゃう」


それでも生徒たちは、家族や周囲の理解を得ながら新たに見つけた居場所で居心地の良さを感じています。そして同じように苦しんでいる人に対して、伝えたい言葉があるといいます。
(生徒)
「未来学園大分校に来るようになってから、家から出るのも地域から出るのも楽しくなった」
「自由にできているし、自分の好きな時間も取れているので、全然苦がなく楽しく通えています。学校に行きたくなかったら、行かないっていう選択肢もある。別の選択肢を探すこともできるので『できないんだ』ってあきらめないでほしい」
「学校に行く・行かないは自分の意思で決めたので、それが『逃げなんじゃないか』とか『何か言われるんじゃないか』とか思ってしまうかもしれないけど、その気持ちを大切にした方がいい」