長崎の被爆者4団体の代表が30日、岸田総理らと面会し、被爆体験者の救済などを要望しましたが、進展は見られませんでした。

面会は例年、8月9日の平和祈念式典に合わせて行われていましたが、今年は台風の影響で延期になっていました。

30日、総理官邸で行われた面会で、4団体の代表が岸田総理に要望書を提出しました。

長崎原爆被災者協議会 田中 重光会長:
「ぜひ岸田総理の英断によって、長崎の被爆地域の是正をお願いしたいと思います。よろしくお願いします」

国が定める被爆地域外で被爆した「被爆体験者」について、広島と同様、被爆者と認めることなどを求めました。

これについて加藤厚労大臣は「長崎では原爆投下後に黒い雨が降った客観的記録がない」とした判決が確定していると回答。

また、岸田総理も今年度から始めた被爆体験者の支援事業を挙げ、根本的解決には触れませんでした。

岸田 文雄 総理大臣:
「本年4月より、7種のがんを医療費助成の対象に追加するなど、事業の拡充をしたところであり、引き続き事業を着実に実施して参ります」

長崎原爆被災者協議会 田中 重光 会長:
「被爆者が死に絶えるのを待ってるんじゃないか?と。
毎年、この10年ぐらいは基本的には解決していない」

長崎で、政府の回答に注目していた被爆体験者たちは…

被爆体験者 岩永 千代子さん:
「広島と長崎で分断したり差別したりする。為政者がですよ。
しかも最高責任者としてですよ。
それが平然と行われている。全く解せませんよね」

広島との格差が埋まらない長崎の被爆体験者たちは、岸田総理に直接、要望や意見を伝えたいとしています。