高校野球107年ぶりの優勝に沸いた慶応高校。髪型も自由で、先輩後輩も対等という、これまでの強豪校の常識とは違う、新たなスタイルで、快挙を成し遂げました。掲げる野球哲学は「エンジョイ・ベースボール」。“スポ根”の象徴ともいえる高校野球界でも選手の過度な負担を減らす流れが強まっています。手作り解説でお伝えします。
最長ブランク記録を塗り替え…
高校野球、夏の甲子園で優勝した慶応義塾高校。北陸、広陵、沖縄尚学、土浦日大、仙台育英など、強豪校に次々と勝利し、全国3486チームの頂点に立ちました。
今回の優勝は2度目なんですが、前回は遡ること107年前。1915年に旧制中学時代の全国大会が始まった翌年の1916年、第2回大会でした。
その時の参加校は全国で115校。そこから地方予選を勝ち抜いた12校が、大阪の豊中球場というところで全国大会を行いました。まだ甲子園球場もなかった時代です。ちなみに、107年ぶりの優勝は、最長ブランクで、作新学院の54年ぶりを大きく更新しました。
低迷していた古豪
甲子園球場がなかったころも含め、慶応高校の全国大会出場は、春夏あわせて29回。ただ、そのうち21回は1962年までで、そこから40年以上も甲子園から遠ざかっていました。