ドイツからやってきた21歳の「旅職人」が今、宮城県内で修業をしています。修行場所は、加美町の住宅建築現場。いったいなぜ日本にやってきたのでしょうか。

ドイツ製の折り畳み定規で長さを測り、木材を次々と切っていきます。ドイツ・ベルリン出身のセバスチャン・ブッセさん。21歳の若手大工です。

Youは何しに日本へ?聞いてみました。

セバスチャン・ブッセさん:
「私は去年ドイツのベルリンで大工の学校を卒業しました。そして、別の国で大工の修業をしようと決めたのです」

ドイツには、若手の大工が「旅職人」として世界各地で修業を積む風習が残っています。お互いの国の建築技術や文化を学び合おうと、今年4月、仙台市内の工務店がブッセさんを受け入れました。

ブッセさんが着ているのは、ドイツの伝統的な作業着。旅職人は修業中、この作業着を着なければなりません。

セバスチャン・ブッセさん:
「ベストには8つのボタンがあって、労働時間の8時間を表しています。裾が広がったズボンも昔ながらのもので、木くずが靴に入らないためのものです」

日本に来て4ヵ月。今では同僚たちとのコミュニケーションにも慣れました。

建築工房・零 佐々木孝輔さん:
「勉強をして学校を出ているのですごく仕事もまかせられる。コミュニケーションが取れない分、表情が豊かなので言いたいことが伝わことが多い」

記者の「疲れましたか?」の問いかけにブッセさんは。

セバスチャン・ブッセさん:
「いいえ、きょうはまだ早い時間だから疲れていません」

ブッセさんは9月まで宮城に滞在し、一度ドイツに戻ったあと、今度はカナダへ渡り修業を続けるということです。

セバスチャン・ブッセさん:
「(Q この経験を生かしてどんな大工になりたいですか?)どんな大工か?良い大工になりたいです」

石造りの住宅が多いドイツに比べ日本は木造家屋が多いことにブッセさんは驚いていて、今は仕事が終わった後の夜も木造加工の練習をするなどして技術を磨いているということです。

ちなみに仲間たちと食べていたおいしそうなお弁当もブッセさんの手づくりだということです。