がんの治療などで髪を失った患者向けの医療用ウィッグ。その新たなサービスが、広がりを見せています。自身の経験を踏まえ、患者の不安を少しでも和らげたいと活動する女性を取材しました。

100%人の髪で作られた人毛ウイッグ。カラーやパーマも可能で、着用する人に合ったスタイルを提案できます。

KINEMA代表取締役・井門竜也さん
「人の髪を切るのと同じように切れると思うので、デザインが制限されることもなく、やりたい髪型を楽しめるかなと思う」

人毛ウィッグに、美容師の技術をプラスする新たな形の患者のサポートが広がっています。

このサービスを手掛けるSUMIKIL(スミキル)代表で、愛媛県鬼北町出身の野中美紀さん。姉が遺伝性の乳がんを発症したのを機に自身も検査を受けた9年前、40歳の時に乳がんと判明しました。

SUMILIL代表・野中美紀さん
「髪の毛が抜けたらどうなっちゃうんだろうとか、胸をなくすってどういうことなんだろうとかっていう、女性としての感覚や恐怖。見た目が変わっていく恐怖の方が強かった記憶がすごくあります」

野中さんは術後、ホルモン剤の投与で髪が抜け、人工の髪で出来たウィッグを使用したといいますが…

野中さん
「買ってかぶって、“無理”って言って捨てる、みたいな」