回転寿司チェーン最大手の「スシロー」が、広告でキャンペーンとして宣伝していた寿司ネタを、実際には多くの店舗で販売していなかったとして、消費者庁は6月9日、「スシロー」の運営会社に対し、景品表示法違反の措置命令を出しました。
スシローが違反した“おとり広告”とは?今後スシローはどうなってしまうのか?専門家と共に解説します。

■スシロー “おとり広告” で措置命令

ホラン千秋キャスター:
寿司チェーン「スシロー」で何が行われていたのかを見ていきます。

井上貴博キャスター:
9日午後3時ごろ、公正取引委員会が会見を行い、回転ずしチェーン最大手「あきんどスシロー」の、ウニやカニなど3種類の寿司キャンペーンの表示について “おとり広告” であると認定しました。

おとり広告とは「商品・サービスが実際には購入できないにもかかわらず、購入できるかのような表示」のことで、このポイントにあたるという指摘が公正取引委員会からありました。

■9割近くの店舗で1日以上販売せず 初日から販売しない店舗も


井上キャスター:
具体的に見ていきます。「新物!濃厚うに包み(税込110円)」の販売期間は2021年9月8日〜20日にかけてでした。

もう一つ、「とやま鮨し人考案 新物うに 鮨し人流3種盛り(税込528円)」こちらの販売期間は2021年の9月8日〜10月3日にかけてというものでした。

早い段階に売り切れる可能性があると判断して「新物!濃厚うに包み」に関しては9月14日〜17日の4日間、「とやま鮨し人考案 新物うに 鮨し人流3種盛り」に関しては9月18日〜20日の3日間、販売停止をしていました。

幅を広げて調査をしたところ、全国594店舗のうち540店舗、9割近くで1日以上販売できていなかったということ、これが “おとり広告” に当たるのではないかと判断されたわけです。


カニについてもです。「冬の味覚!豪華かにづくし(税込858円)」の販売期間は2021年11月26日~12月12日。早い段階に完売した店舗が発生しました。準備が整わず、初日から販売していなかった店舗もありましたが、提供しているかのように表示していました。

初日から販売していなかったということは「キャンペーンがあまりに盛況で途中から食材が足りなくなった」ということではなく、最初から販売停止の可能性がわかっていたのだとすると、とても悪質ではないかという判断のようです。

「冬の味覚!豪華かにづくし」に関しては、全国605店舗中583店舗で、1日以上販売しなかった実態があったようです。

■悪質性が認定されたポイントは?

ホランキャスター:
もちろん、こういうキャンペーンが人気なのは私達消費者もわかっていますので、行ったときに「もうないんです、すみません」と言われて「仕方ないね」ということってあると思うんですけれども、今回のケースはなぜ措置命令が下るほど、とりわけ注目されているんでしょうか?

萩谷麻衣子弁護士:
公正取引委員会や消費者庁の運用判断基準としては「供給量が著しく限定されているにもかかわらず、その限定の内容が明確に表示されていない場合」おとり広告に当たるとされているんですね。

今回大々的にキャンペーンを張って、しかも目玉商品であったというところもポイントだと思います。その目玉商品につられて、この期間中にあるはずだと考えて消費者が行くけれども十分な量がなかった。そこに悪質性を認定されたのではないかなと思うんですね。

ホランキャスター:
これだけ大々的にやるのであれば、安定的に供給できるようにちゃんと準備を整えるのが筋だということですか?

萩谷弁護士:
そうですね。期間はこれだけですよということを大々的にアピールして広告をするのであれば、その期間、十分に提供できるだけの量を準備しておくべきでしょうと。例えば途中でなくなってしまったら、なくなったことを明確にわかるように表示しなきゃ駄目ですよと。

ホランキャスター:
ホームページなどで「ここの店舗ではもう終了しています」みたいなことを出していればよいということでしょうか?

萩谷弁護士:
それも必要だと思います。

井上キャスター:
この景品表示法という法律は、故意か過失かで重さって変わってくるんですか?食材がないのにキャンペーンやりますっていうのと、キャンペーンの途中で食材がなくなったっていうのでは、心証が変わる気がします。

萩谷弁護士:
景品表示法って何を保護しているかというと、一般消費者の信頼なんですね。故意・過失が企業にあったかどうかではなくて、その信頼や期待が裏切られてしまったかどうかというところで判断されるので、仮に事業者側に故意・過失がなかったとしても、措置命令は出されます。