東京・大阪・京都・北海道・沖縄以外の“地方”への分散化を

山本恵里伽キャスター:
問題となっているオーバーツーリズムですけれども、どうすれば解消できるのか。
星野代表は、このオーバーツーリズムが起きている場所は、限られていると指摘しているんですね。東京・大阪・京都・北海道・沖縄の5か所に、訪日外国人客の65%、半分以上が集中しているそうなんです。ですので、もっと“地方”に分散してもらうのが課題だとも指摘しています。

例えば、自然を見たり、体験したりする自然観光を強化することによって、地方に来てもらえる取り組みにつながるのではないか、と指摘しています。

小川彩佳キャスター:
日本に魅力を感じる人が多いというのは、ありがたいこと、喜ばしいことですから、それをどう分散させていくのかというところですね。

慶應義塾大学 宮田裕章 教授:
インバウンド観光というのは、これからどんどん伸びていくと考えられる。ただ一方で、これが加速しすぎると、地域の文化も破壊してしまう。

そういう意味では、コロナ前から、実は訪日外国人の方々が、日本の新しい魅力を発見することが始まってるんですよね。高尾山というものの魅力を発見して、非常に多くの外国人が訪れるようになりましたけれども、それはフランス人が再発見した。それ以外にも好事例が生まれ始めている。例えば、ニセコっていうのは、パウダースノーを愛する世界中のスキーリゾートの人たちが来ている。あるいは、直島というようなところで、いろいろなコミュニティが生まれている。

みんながみんな同じところにラッシュするというよりは、デジタルの力でいろいろな人たちをつなぎ、自然だけじゃなくて、食だったり、祭りだったり、アニメだったり、歴史だったり、アートだったり、そういう多様なコミュニティを作りながら、地域の人たちの誇りというか、住む人たちの未来とつなげていくってことが必要なのかなと思います。