減ってきた里山を復活させたい…

窓の外を見て松山さん:「行きましょう!」

日中は社会人として働き、毎晩8時になれば、森に林に車を走らせる松山さん。この日も、砺波市内で見つけた穴場スポットへ…。

記者:「すごい茂みの中入っていきますね」

昔は、街灯の下を見れば虫がたくさん!なんてこともよくありましたが最近は事情が異なるようです。

虫捕り名人 松山侑生さん:「これが紫外線トラップ。紫外線に寄ってきた虫がここに当たって下に落ちるような仕組みになっています」

昆虫は紫外線に反応する習性がありひと昔前は白熱球の街灯に群がっていましたが近年は、紫外線を出さないLEDライトの普及により見つけづらくなっているといいます。

そこで松山さんが取り入れたのが「紫外線トラップ」。

虫捕り名人 松山侑生さん:「あ、いますね。カブトムシ。メスが入っていますね」
記者:「おー!いたー!」

暗闇の中、強力な紫外線にカブトムシが誘われたようです。こちらは今、昆虫採集の定番になりつつある「バナナトラップ」。バナナに焼酎、砂糖、イースト菌を加え日なたで半日発酵させることでにおいにつられて昆虫が集まるんだそう。

記者:「どうですかね」
虫捕り名人 松山侑生さん:「いっぱいいますね」
記者:「うれしそう」
松山さん:「コクワとノコギリと…ノコギリのメスがいますね」
記者:「あ、いますね!」においかいで「バナナの強烈なにおい」
松山さん:「強烈なにおいじゃないと広範囲から寄ってきませんので」

昆虫の飼育や採集を本格的に始めて5年。夏になると毎日たくさんの虫に出会いますが松山さんは最近少し気になることがあるといいます。

虫捕り名人 松山侑生さん:「いま里山が減ってきているんですよ。里山と虫は共生していて。里山を一部復活させてみたいなという思いはありますね」

人口減少や少子高齢化で、無くなりつつある日本の原風景。豊かな生物多様性が失われてしまうと虫たちが警鐘を鳴らしているというのです。

虫捕り名人 松山侑生さん:「伝統的な炭焼きとか、シイタケの原木での栽培とか。虫たちにとっては自然の一部。こういう自然の姿を守れたらな。自分で」

虫は「捕るもの」から「買うもの」に変わった現代。夏に虫捕りに出かける子どもの姿が見られなくなった理由はそれだけではないのかもしれません。