激増している特殊詐欺の手口について、実際に架空請求詐欺の被害に遭った新潟市の70代男性が8日、同じ被害に遭う人が少しでも減ってくれればと、当時の状況を語ってくれました。
【新潟市に住む70代男性】「ちゃんとした人間が、なんでそんなはした金でね…。なんでそんな細かいところに手を出しているんだと、他に稼ぐ方法はないのかなと、哀れみを感じていますね」
こう話すのは、5月に架空請求詐欺に遭い、20万円をだまし取られた新潟市の70代の男性です。自宅で旅行サイトを見ていたところ、突然パソコンの画面に「警告」「電話をしてください」と表示され、慌てた男性はそこに表示された番号に電話をかけてしまったということです。

【新潟市に住む70代男性】「パソコン上で、すぐ高音の状態で、バッと警告が出てくるわけですね。普通の日本語を話すというよりも、アクセントを変えたような形で話してくるんですよね」
電話に出たのは、ウィンドウズの社員を名乗る女性の声でした。
【ウィンドウズ社員を名乗る女性】「20分であなたのパソコンは真っ黒になります。修理が必要です」
メンテナンスのため電子マネーで料金を支払うよう指示され、コンビニで購入したコードを伝えてしまいましたが…
【ウィンドウズ社員を名乗る女性】「カード番号を間違ってしまってロックされました。もう一度カードを買ってきてください」

男性は再三、電子マネーを買うように言われ、2時間ほどの間に20万円をだまし取られました。
【新潟市内に住む70代男性】「いざパソコンを実際に使っているときに、(警告が出る)状況で反応できるかというと、できないと思うんです。パソコンを操作される方に、自分が被害に遭わないためのポイントを話したかった」
特殊詐欺の被害は激増しています。警察によりますと、新潟県内では今年4月末までに56件の被害があり、去年の同じ時期と比べて1.6倍に増えています。被害総額は1億4504万円に上っています。
【新潟西警察署生活安全課 市井天課長】
「(実際に直面すると)取り乱してしまいますし、焦ってしまいますし、正常な判断ができなくなってしまうと思いますので、こういった手口があるということをまず知ってもらうことが大切なのかなと思います」
