「復旧議論の前に、活用方法を考えるのが住民の役割」
復旧費用に加えてローカル鉄道は、利用者不足という全国的な問題を抱えています。

米坂線の場合、ウイルス禍前は1日あたりの平均輸送人数がわずか169人。100円の収入を得るためにおよそ2500円の経費がかかるという大幅な赤字状態だったのです。
4月、国は法改正し、経営が厳しい路線を対象に自治体か事業者の要請で国が主導する「再構築協議会」を設置できるとしました。政府の関与を強め人口減少社会での鉄道議論に本腰を入れ始めています。

豪雨により突きつけられた「莫大な復旧費用」。そして、じわじわと進んできた「利用者不足による赤字」。一朝一夕には解決しない重い課題です。
こうした中、台湾からの団体旅行客が関川村を訪れ、米坂線を利用するルートを組むなど、これまでにない路線の活用が徐々に見られ始めていました。去年の被災後、地元住民は少しずつ動き始めました。
【村上市荒川地域在住 森川信夫さん(81)】
「復旧してもらいたいという願いはあるけども、じゃあ復旧することによって、私たち自体が何をすべきか…それから本当に復旧しなきゃならないような理由があるのか」

「復旧議論の前に、活用方法を考えるのが住民の役割だ」5月に村上市で米坂線の学習会を開催した森川さんは9月にも、次の学習会を関川村で行う計画です。
【村上市荒川地域在住 森川信夫さん(81)】
「どうしたらいいかということは、私たちも未知数な面もある、わからない面もあるだけど、それを地域の住民で見直すことによって出てくる」
森川さんは今後、活用策のアイデアなどを要望書にまとめ、自治体へ提出したいと意気込みます。