2022年8月、新潟県北部を襲った豪雨で壊滅的な被害を受けた鉄道「JR米坂線」。今年4月、JR東日本新潟支社は、米坂線の復旧には5年、86億円かかるとの試算を公表しました。
復旧までの道のりは?そして復旧したとして、鉄道の利用は増えるのでしょうか?
課題に直面するJR、住民、そして行政。それぞれの模索を取材しました。

「どういう風に米坂線を地域おこし・活性化に結びつけられるか」

【村上市荒川地域在住 森川信夫さん(81)】
「地域の活性化、地域おこしのためにも復旧をしてもらいたい」

曲がったレールを見つめるのは、村上市荒川地域に住む元教員の森川信夫(81)さん。JR米坂線は、かつて関川村の中学校に勤務していた頃に通勤で利用するなど40年以上の付き合いです。

森川さんは5月、村上市で米坂線沿線住民らに参加を募り「米坂線『復旧問題』を考える学習会」を主催。

この1年を過ごす中で気付いたのは、米坂線の『利用促進』に向けて地元住民自らが考え、声を上げる必要性。豪雨で被災するまで考えることがなかったそうです。学習会では、米坂線を利用しながら景観や温泉を楽しんでもらうなど、観光をアピールしていく案が出たそうです。

【村上市荒川地域在住 森川信夫さん(81)】
「どういう風に米坂線を地域おこし・活性化に結びつけられるか、今まであまり見直していなかった面があるわけですよ、赤字は分かってたけど」

米坂線は、村上市の坂町と山形県の米沢とを結ぶ住民の足であり、地域資源でした。