去年8月4日、石川県小松市を中心に大きな被害が出た記録的豪雨から4日で1年。
当時、多くの住宅が浸水した小松市中海町の今を取材しました。
去年8月4日、加賀地方を襲った記録的豪雨。小松市を流れる梯川やその支流が相次いで氾濫し、住宅への被害は全壊が5棟、半壊が168棟、床上・床下浸水は合わせて1310棟に上りました。

中でも、被害の大きかった小松市中海町は、町全体が濁流に飲み込まれ、住宅の床や家具などが泥まみれになり、連日、住民や災害ボランティアによる懸命の復旧作業が続きました。
当時取材した女性さんは「怖いのと諦めなきゃと思うのとね。情けないね、どうしようもない」と涙ぐみながら肩を落としていました。
あれから1年。
再び、その女性の下をもとを訪ねました。
女性は…
「ボランティアの方、いろいろな人に世話になって普通の生活をしている。いいこともあった。みなさんにお世話になって、悪いことばかりではない」

一方、全国各地を襲う水害を見て思い出すこともあるといいます。
女性は…
「トラウマで、ハッと思ったり、雷がなったりすると続くのではないかと不安は起きる」
次に訪ねた男性の住宅も、1年前には復旧に1年以上かかるという話でしたが、その後順調に復旧したといいます。育てられていた住宅横の田んぼには立派な稲が育ち、1年という月日が経ったことが感じられます。
男性は…
「(この1年は)頭の中ではパニックになっているだけで、家直さないといかん、機械関係も全部だめだったので。皆さんの協力もあったが、使える状態まで復帰できて、まあ今年は順調にいけそうかな」

一方で、1年が経った今も復旧が完了していない住宅もあります。
町内会長の北武志さんの住宅は、居住スペースを除き、板を一部張り替えたものの、それ以外は手つかずのままです。
北武志さん
「大変だった。年末から春先までアパート暮らしをしていて、娘の家にも私の家内が世話になった」

国などによりますと復旧工事は予定通り進んでいて、概ね去年の災害前の状況に達したということですが、決して日常生活が災害前に戻ったわけではありません。