一度飼ったら自然に放してはいけない…

「特定外来生物」に指定しなかった理由について環境省は国内ではアメリカザリガニが540万匹飼育されているとの推計があり、飼育を禁止すれば大量に捨てられる懸念があるためとしています。

また、ペットとして飼育することはできるものの、ザリガニが自力で逃げた場合も罰則の対象となるため、水槽のフタや池の囲いを設けるなどの対策が必要です。

今回の取材で捕まえたアメリカザリガニは魚津水族館に持ち帰ることになりました。

魚津水族館 不破光大学芸員:「これは水族館に持って帰ります」

記者:「もし私がいまここで見つけた場合には、本当に飼えると思わない限り、ここで放す?」

魚津水族館 不破光大学芸員:「そうですね。この池で見つけたら、この池で逃がしてもらえれば、大丈夫です」

アメリカザリガニを捕まえることは問題ありません。飼育することも問題ありません。しかし、一度飼ったら自然に放してはいけないのです。

魚津水族館では富山県内のアメリカザリガニの分布状況を調査。比較的地形がゆるやかで、ため池が多くある県西部を中心にこれまでに40件以上の目撃情報が寄せられています。

魚津水族館 不破光大学芸員:「朝日町にもいるんですけど、もっと東にはいないんです。こういう規制がないと、もしかしたらここから持ち出す人がいるかもしれない。僕らはまだ侵入されていない場所を特に守りたいという思いがあるので。これ以上動かしてほしくないです」

アメリカザリガニの対策の目的は生物多様性の保全です。そのためには責任をもって最後まで飼育することができるかどうか?

命に向き合うことが求められます。

魚津水族館 不破光大学芸員:「持ち帰ることは考えないようにしてもらいたいと思います」

今回の「条件付特定外来生物」の指定はアメリカザリガニのほかにアカミミガメ・通称ミドリガメも対象になっています。生き物採集に出かける夏休みの子どもたちも多いと思いますがルールを守って楽しみましょう。