「国策紙芝居(こくさくかみしばい)」というものをご存じでしょうか?
第二次世界大戦中に、国民の戦争に対する関心を高めるために作られた国策紙芝居の展示会が長野市で開かれています。

紙芝居 協和楽園(きょうわのらくえん)の実演:                                                   「くまこうがリンゴを盗みに来たぞみんな来てくれー!ウサギさんは大声でみんなを呼びました」

国策紙芝居「協和楽園」は、満州国で作られた作品。

子ども向けと大人向けのほか、中国語で書かれたものもあり、当時を象徴する紙芝居の一つです。


長野市の清泉女学院大学・短期大学には、8月1日から国策紙芝居の原画や複製品など、およそ30点が展示されています。

第二次世界大戦中に1000作品以上が作られ、最盛期には年間70万部が発行されたとう国策紙芝居。

中には、有名な紙芝居画家が描いた作品も。

清泉女学院短期大学 塚原成幸教授:                                                       「戦記物を見ると、子どもたちは憧れたりとか自分も戦いに加わりたいという風にものがよくできているが故に思った部分はあるのではないか」

テレビのない時代に圧倒的な娯楽とされた紙芝居が、当時は、戦争の正当性を訴える宣伝の道具として使われていました。

ほとんどは終戦後に焼却処分されたといいますが、塚原成幸教授が、東京・子どもの文化研究所に今も残る紙芝居の一部を借りて、展示を行いました。


塚原成幸教授:                                              「存在自体を知らなかったという方が意外と多いから、戦時中にこういった作品がたくさん作られていたことを知ってほしい」

国策紙芝居は、8月10日まで清泉女学院大学・短期大学の図書館で見ることができます。