岡山県立美術館で開催中の「美をたどる皇室と岡山」。皇室に受け継がれる美術品などを集めた特別展の前期が日曜日(8月6日)で終了するのを前に、改めてその見どころを伺いました。

皇居にある三の丸尚蔵館(しょうぞうかん)に収蔵されている絵画や工芸品など約80点が並ぶ「美をたどる皇室と岡山」。

会場には、「皇室と岡山の繋がりを感じてほしい」と、岡山出身の作家による皇室ゆかりの作品なども展示されています。

前期の明後日(8月6日)までしか見られない作品もある中、会場で見どころを伺いました。

(岡山県立美術館学芸員 橘凜さん)
「特に注目していただきたい作品がこちらの『鶏冠花(ケイトウ)』という作品です」

(杉澤眞優キャスター)「赤と黄色が鮮やかな素敵な作品ですね」

「鶏冠花(ケイトウ)」は、瀬戸内市出身の東原方僊(ひがしはら・ほうせん)の出世作です。

(岡山県立美術館学芸員 橘凜さん)
「『文部省美術展覧会』という、国が主催する展覧会に出品された作品。葉っぱの虫食いの描写まで非常に執拗に、描写にかける意気込みが見どころ」

会場には、日本画のほか油彩画も展示されています。

(岡山県立美術館学芸員 橘凜さん)
「岡山出身の人物、和気清麻呂を描いた作品になります。」

(岡山県立美術館学芸員 橘凜さん)
「自分の命をかけた緊張した場面を、明るいところと暗いところ、はっきり分けた作品」

こちらは、奈良時代に僧の道鏡が皇位を手に入れようと企むなか、和気清麻呂が命がけで天皇に宇佐八幡の神託を伝える場面を描いた力作です。

(岡山県立美術館学芸員 橘凜さん)
「三の丸尚蔵館の皇室に伝わってきた作品が、岡山でこれだけの数十点という規模で展示するということはめったにありませんので、貴重な機会を楽しんでいただきたい」

「美をたどる皇室と岡山」は、岡山県立美術館で、前期は明後日6日まで、後期は8月8日から始まります。