小松菜は、広島市安佐南区沼田町戸山地区の「ルンビニ農園」で作られています。16年前に農園を立ち上げた 今田典彦 さんです。20代から70代の25人の従業員は、音楽好きの今田さんがデザインしたおそろいのユニホームを着て作業しています。

ルンビニ農園の小松菜の年間の生産量は約240トンで県内トップクラス。地元のスーパーやデパート・ホテルはもちろん、東京の高級スーパーにも出荷されています。

ルンビニ農園 今田典彦 代表
「お米をつくったときに出るもみ殻、これを炭にした状態のもの、くん炭って呼ぶんですけど、このくん炭をしっかりと入れて土作りをしています」

くん炭を使うことで土はふかふかになり、きれいな水と寒暖差のある戸山地区の気候で野菜に甘みとコクが出るそうです。ルンビニ農園は、約10年前から錦水館グループと取り引きがあり、コロナ禍でホテルが休業した際にはシェフなどのホテル従業員の雇用を一時的に受け入れました。

ルンビニ農園 今田典彦 代表
「今まで錦水館さんには、たいへんお世話になっていて、いつもうちの野菜をしっかり買っていただいてですね。恩返しの意味も込めて、がんばってできるだけたくさんの人をここで一時雇用できるよう…」

今田さんは、この経験を経て生産者とホテルの関係性が密になったと話します。

ルンビニ農園 今田典彦 代表
「作り手のわがままじゃないですけど、気持ちを、働いて、見てもらう。錦水館さんで料理を出してもらって、わたしたちもそこで食べさせてもらうっていうのは、お互い相互理解がすごく深まりますし、いい方向に進むと思います」

また、ホテルの食事を通して広島の味が世界に広がることに期待を込めます。

ルンビニ農園 今田典彦 代表
「やっぱり、どうしてもこう日々、野菜と向き合って仕事しているものですから、なかなかぼくたちが営業活動というか、周知の活動っていうのはやっぱりできないですし、苦手です。ぼくらの代弁をして農産物を売ってくれるっていうのは本当に感謝です。いろんな国の方に食べてもらえるとうれしいです」

朝食に力を入れる前の錦水館グループでは、輸入食材も半分近く取り入れていたそうです。しかし、武内社長は旅行先に広島を選んで来てもらうからこそ、食事は「地元のもの」にこだわって、満足度をあげていきたいと意気込みます。

錦水館 武内智弘 社長
「日本の東京とか関西からのお客さまも多いんですけど、国内だけではなくて海外のお客さまがたくさん増えてきますので、そういったお客さまに食を通して喜んでもらえるように日々、ブラッシュアップできたらなと思います」