長期化する『避難指示』 専門家は
小岩内集落には、豪雨災害から1年が経つ今も集落全体に避難指示が出ていて、高野さんら住民は自宅に戻れず、村上市内にある仮設住宅で生活をしています。

長期間出されている避難指示について、災害に詳しい新潟大学 災害・復興科学研究所の卜部厚志(うらべ・あつし)教授に話を聞きました。
【新潟大学 災害・復興科学研究所 卜部厚志 教授】
「(避難指示は)住民にとっては長い1年だったと思うんですけど、防災的には待つべき期間は待っていただきたいなというのはあります」

卜部教授は、これまで避難指示が解除にならなかった大きな要因のひとつに、集落の山側にある『砂防ダム』があると話します。ダムを管理する県は去年10月、中に溜まっている大量の土砂と流木を撤去。さらに災害対策のため、ダムの堰堤をかさ上げする工事が来年の12月ごろまで予定されていますが…

【新潟大学 災害・復興科学研究所 卜部厚志 教授】
「元々の様子に近い状態に戻したということであって、その防災力というか、地域の守る力を上げたわけではなくて…全国的な災害の中で、小さい砂防ダムができたから安心だと思っていたら、それを超えるものがきて大きな被害が出たということもありますので」
小岩内集落に出されている避難指示は、今年4月に解除へ向かう動きがありました。しかし、住民や専門家からは豪雨災害が起きた時期と同じ出水期を懸念する声が上がり、解除されずにいました。