夏休み、家族で公園に出かけるという人も多いのではないでしょうか。岡山市内に「手作りの遊具」で人気の公園があります。そのクオリティに驚く人も多いのだとか。一体どんな公園なのか取材してきました。

迫力あるジープにクレーン車。リアルな乗り物の遊具が並びます。これらの遊具、実は…

「全部木で手作りしています」

ー誰がですか?
(たけべの森公園 安藤傑文所長)「私ですね。最近は天才に近づいてきたかな」

岡山市北区にある「たけべの森公園」です。

5年前から所長を務めている、安藤傑文さん。たった1人で、木を加工し遊具を手作りしているんです。


(遊んでいる子ども)「荷物を上げま~す」

乗ることができるのはもちろん、必ずどこかのパーツが動かせるというのがこだわりです。

ーこれ手作りらしいよ
(遊んでいる子ども)「わぁすごい。すげえ」

(安藤傑文所長)
「滑車を付けて、こういう風に付けたら動くんだろうと勝手に思ってたんですけど、ものすごく重くて全然動かないし、10回以上はやり直しましたね」

自然豊かな「たけべの森公園」ですが、以前は遊具がほとんどなかったといいます。訪れた人からも「何もなさすぎる」などの厳しい指摘が。しかし、遊具を買おうにも…

(安藤傑文所長)「切実なところでいうと、あまりお金をかけられない。どうにかして入園料をいただいているんですけど、入園料分楽しんでいただくことができないかなと」

買えないのならば、自分で作るしかない。大工経験は全くない素人でしたが、仕事の合間に見よう見まねで作り始めたといいます。今年3月にはこんなものも。

(松村みなみ記者リポート)
「こちら、スイッチにレバーなど運転席、ものすごくリアルに再現されています。その名も『建部レールウェイ』という名前だそうなんですが、どうやって動くんですか?」

(安藤傑文所長)
「こちらはですね、実は人力です」

電動遊具を作る知識はないので、すべてはアイデア次第。自慢の乗り物は、全部で9台になりました。

いまは「全長5メートルのヘリコプター」を製作中です。実は安藤さん、5年間のうちに「驚きの能力」を身に着けたといいます。

(安藤傑文所長)
「設計図も何も書かないので、ただただ写真を見て作るだけ。形を作るのは何となく大体できるようになってきましたね。素人にしてはすごくないですか? 誰に褒められるということもありませんが、お客さんに喜んでもらうためにコツコツと」

このほかにも、ごっこ遊びができるお店や、公園内を巡る謎解きなどおよそ10種類のゲームも作ったところ、リピーターが増えたそうです。


安藤さんは日本一の手作り公園を目指しています。