会社の急成長の陰で不正な保険金請求を行っていたビッグモーター。一方で、成長にこだわるのは企業だけではありません
成長・利益重視の末…「ビッグモーター」問題の背景

ビッグモーター・兼重宏行社長(当時)
「不合理な目標設定、これが目標ではなくてノルマになっている。それが原因で今回の不正が起きたと考えられます」
7月25日、保険金の不正請求問題で初めて会見を開いた中古車販売大手「ビッグモーター」の兼重宏行社長。謝罪とともに、引責辞任を表明しました。
今回の大がかりな不正の背景として、元社員らがあげたのが…
ビッグモーター元社員「利益の部分を追求しないといけない。『どんな手を使ってでもやれ』と言われる」

5年で売上高が3倍になるほどの「急成長」を遂げたビッグモーター。無理を重ねてでも利益を上げ、成長しようとする姿勢が、今回の不祥事を生んだとされます。
「成長」追求の姿勢は国レベルでも…成長の指標「GDP」
成長に重きを置く現代社会の側面が見え隠れする今回の事件。同様に国家レベルでも、「成長」が歓迎される、ある指標が存在します。
中国・李克強首相(3月)
「GDPの伸び率は5%前後とする。我が国の経済は、巨大な潜在力と発展の原動力を持っている」

現在、多くの国がこだわるのが「GDP=国内総生産」。一定期間内に、企業などが国内で生み出したモノやサービスの額を積み重ねたもので、国の豊かさを示すとされる指標です。日本もかつて経済成長によって、GDP世界2位となりますが、その後、中国に抜かれ3位に後退したことが話題に。同様に、多くの国がこの数字に一喜一憂しています。
インド市民
「(GDPで)インドは中国を抜くだろう」
「発展してナンバーワンになるよ」