減給処分相当金額とは1日の平均賃金の半額だと担当者から聞きました。私はこの金額に納得できないことを水道局の担当者に伝えました。当初、水道局からの説明の中では「法の規定の中で決まっている金額」というふうに説明を受けました。

記者会見で苦しい胸の内を明かす男性の妻(53)

 私は法律のことは詳しくないので、弁護団に連絡をして確認をしてみました。弁護団によると、寄付金に関してはどんなに多額でも法には違反しないと言われました。そのことを水道局の担当者に伝えたところ、これ以上の多額の寄付金の要請はできないと言われました。また、説明の中で今回の過失が「安全配慮義務違反」だからと言われました。ただひとつと言われても、ことの重大さを本当に理解されている方のお言葉なのか非常に不審感を抱きました。

 夫が亡くなってこの16年間、水道局からの誠意ある対応、そして元係長からの謝罪を求め続けてきましたが、求めれば求めるほど傷つけられ、これ以上私自身、耐えきれなくなりました。これからはこの件に区切りをつけ、前を向いて生きていきたいと思います。元係長からの手紙については労働組合から「組合として今後も係長からの謝罪は求めていく」とありがたく心強いお言葉をいただきました。私は今後、水道局とは再発防止策に関しては今後も話し合いを続けていきたいと思っておりますが、謝罪についてはこれ以上、私からはお願いすることは控えたいと思います。
今後は水道局と再発防止策を講じ、パワハラのない社会を作っていくことで、今までご支援いただいた皆さんに恩返しができればと思っております。

亡くなった夫の写真とともに会見に臨んだ

後編では亡くなった男性の長女(17)の思いをお伝えします。

【後編】「『失わなくて良かった命なのに。パパの声も温もり…何も記憶にない』当時1歳の娘が涙を流しながら訴えた再発防止への強い思い」に続く