「真実が知りたい。そして、夫の無念を晴らしたい」

【男性職員の妻(53)】(会見全文)
 夫と私は2001年10月に永久の愛を誓いました。多くの方々に祝福していただき幸せに満ち溢れた生活を送っていました。結婚して翌年の11月には長男が生まれ、その3年後に長女が生まれ、家族4人幸せに楽しい毎日を送っていました。家族思いの誠実な夫は2006年12月、有給休暇を取得して長女の1歳・長男の4歳の誕生日のお祝いに家族旅行に出かけました。子供たちは大変喜び、とっても楽しい家族旅行でした。ですが、この有給取得を機に係長からのいじめが悪化し、夫は悩み苦しみ耐えきれなくなりました。

記者会見で語る男性の妻

 旅行に出かけた半年後の2007年5月8日、愛する1歳の娘と4歳の息子を残し、
通勤途中に天国へと旅立ってしまいました。あまりにも突然のことで現実を受け入れることができませんでした。自宅のパソコンと夫の携帯に遺書が打ち残されていました。ですが、当時の上司の係長や水道局はいじめを否定しました。

 私は「真実が知りたい」そして「夫の無念を晴らしたい」「夫の死を無駄にしたくない」という思いから公務災害申請を決意しました。

 夫が亡くなって4年後の2011年8月、審査会は「困難な業務については仕事の負荷が第3段階に分けたときの最高レベル、そしていじめに関しては心理的負荷の強度は最高レベル」と認定し、職務が原因の自死であると公務災害に認定されました。
 長い長い年月を経て2022年11月に裁判でようやく水道局の責任を認める判決をいただきました。その後は弁護団とともに水道局に交渉を続けておりました。

 遺族としては1日も早く元係長に遺族の思いを伝えていただきたかったのですが、水道局が元係長に遺族の思いを伝えたのは2023年3月下旬からと聞いております。4月は元係長自身に自分で考えを示す期間を与えるため、(水道局が元係長に)一度も電話をしていないと聞いております。5月の中旬に水道局が元係長に電話をしたそうですが、「謝罪をするかしないかも悩んでいるし、遺族に会うか会わないかも悩んでいる」ということを聞きました。
 そのような状況のなかで突然(2023年)6月中旬に、元係長から減給処分相当の1万円未満の寄付の申し出があったという連絡があったことを水道局から聞きました。

その後、元係長からの寄付申出書と元係長の謝罪のお手紙が届きました。抜粋して読み上げさせていただきます。