なぜか被害者が出てこない
井上貴博キャスター:
そもそも修理をする過程でノルマを与えていた。修理にノルマがあること自体がおかしいと思うんですけど、その部分がおかしいのだったら、やっぱり組織的に追い込んでいたってことになると思う。1件当たりの水増し請求額は大体4万円。これが10万円とか100万円だと、ちょっとおかしいなって外部の目にも見えそうですけど、4万円に抑えたっていうのは、これは狙いでやっているんですかね。

自動車評論家 国沢光宏 氏:
いっぱいのせられる修理もあれば、のせられない修理もあります。例えば、追突事故をされたお客さんが、ビッグモーターに持ってきたというケースでは、修理代の他に、代車代をのせられる。修理に時間がかかりましたって言ったら、20万円くらいのせるわけですよ。そうすると、お客さんは、いい車に乗れてうれしいし、会社も売っている車をただで貸しているわけだから儲かる。そういう意味では、ほとんどやっていないところもあれば、一気に30万円をのせているところもあって、平均して4万円なんだと思う。
ホランキャスター:
件数としては、小さい額の修理の方が多い?
自動車評論家 国沢光宏 氏:
これは、全く情報が出てこないんですね。とりあえず調査が入っただけでも、あれだけの件数があったということなので、多分出てこないものは、まだまだあるというふうに考えていいと思いますね。
井上キャスター:
そうなると、調査ということよりも、詐欺罪とか、器物損壊罪で考えると、捜査があってしかるべきなんじゃないかなと思うんですけど。なぜ捜査が動かないのか。
自動車評論家 国沢光宏 氏:
まず被害者が出てこないんですよ。これだけ長いこと見ていて、私の車がやられましたとか、私は不正されましたとかっていう人が出てこない。
修理に出したときに、写真を撮って、修理の内容と照らし合わせて精査して、明らかにおかしいとなると、金融庁が入ってきて、保険金詐欺になる。そうすると警察が出てくるので、そこで初めて本格的な捜査ができる。そこまで持ち込めば、いろいろなことがわかってくると思います。
ホランキャスター:
ただ、修理されてしまっていると、わからなくなるのでは?
自動車評論家 国沢光宏 氏:
写真があれば、どことどこが壊れていたかがわかる。そして見積もりがあります。それから、保険会社だったら、保険書類を出します。そこに、写真が添付されて、こういう事故を直しましたっていうのがあるので、照らし合わせれば、はっきりわかります。