宮城県内の太陽光発電施設で、送電用の銅線が大量に盗まれる被害が多発しています。今年に入り被害額はすでに2億円を超え、去年1年間の被害額の4倍以上になっています。なぜ、銅線の盗難が相次いでいるのか。そこには、意外な社会的取り組みが原因としてありました。いったいそれは・・・。

狙われた太陽光発電施設

太陽光発電所の管理会社に勤める熊谷巌さん:
「この辺に長いやつ(銅線)を引っ張り出してきて、ここでまとめて、運べる長さに切って、その残りが残されて散らばっている。腹が立ちますね」

宮城県大崎市鳴子温泉の太陽光発電施設です。今年5月、送電用の銅線が何者かによって大量に盗まれました。

盗まれた銅線の長さは少なくとも2000メートル以上です。

太陽光発電所の管理会社に勤める熊谷巌さん:
「こういうマンホールが全体で6か所から7か所あって、そこで切られている」

地中の銅線は、点検に使用するマンホールの中で切断されました。施設内にはマンホールが複数あり、その間の銅線が根こそぎ盗まれたのです。被害額は300万円ほどで、さらに、全体の修理費にはおよそ1800万円が掛かります。

熊谷さんの会社が管理する他の施設でも被害が頻発していると言います。

太陽光発電所の管理会社に勤める熊谷巌さん:
「去年の暮れから多くて、北関東を中心に10か所程度やられている。1か所やられると2度、3度来られて全部持っていかれる」

今回取材した発電所では、2000メートルが盗まれたということで、規模の大きさが伺い知れます。こうした被害はこの発電所だけではなく県内各地で多発しています。