港町・清水からフードロスを減らす取り組みがいま、広がっています。日本一の水揚げ量を誇るマグロを一切無駄にはしません。

静岡県静岡市の清水魚市場にあるこの店の自慢は、新鮮なマグロ。

<丸善みやもと 宮本和昌 専務>
「世界中から冷凍マグロが集まってくるので、マグロが昔から有名ですね」

港町・清水のマグロの新たな可能性を広げる商品が生まれました。

<DHAマリンフーズ 高橋伸和 社長>
「この2つの商品ができあがりました」

清水港などで水揚げしたマグロを刺身やネギトロなどに加工する会社です。SDGsにつながる「ツナ革命」と「ツナプラス」。2つの商品とも、マグロ以外の身はつかっておらず、贅沢に仕上げました。

<伊豆川洋輔 記者>
「マグロの味がそのまま口に広がって、旨味と香りもすごくいいです。これ手軽でいいですね」

この商品。どんな無駄をなくしているのでしょうか。

<DHAマリンフーズ 高橋伸和 社長>
「ここはネギトロを作るにあたって、一番初めの工程なんですけど、ネギトロを作るにあたって、一番問題なのが、骨であるとか皮や、異物が入るのが一番の問題なんですね。一切入れないようにしています」

この加工場では、1日およそ3トン分のマグロを加工しますが、1割の300キロは廃棄していました。廃棄量は1か月でおよそ9トンにのぼるといいます。

<DHAマリンフーズ 高橋伸和 社長>
「今まで無駄にしたものを何か再利用できないかなっていうのが取り組みの初めですね」

味や栄養価はかわらないのに捨てててしまう現状。「もったいない」という思いから生まれたのが「ツナ革命」や「ツナプラス」です。

<DHAマリンフーズ 岩崎範子 商品開発部長>
「小麦粉とか卵とか、一切お水とか加水をしていない。特殊な技術を使って固めている。つなぎを使っていないということは、マグロの100%の栄養価が入っている」

さらに、ツナプラスを作る過程で出る切れ端が新しい商品を生みます。

静岡市清水区のカフェです。人気メニューの一つが、マグロカツバーガーです。値段は1個300円。ツナプラスの切れ端を使って、カツを作ることで、リーズナブルな値段設定を実現できました。

<銀座なないろ 池田都 代表>
「食品ロスが多いなかで、私たちも協力して、DHAマリンフーズさんと共同して、できるだけ美味しいものを提供したいと考えております。美味しいものができてほんと良かったです」

<DHAマリンフーズ 高橋伸和社長>
「マグロはもっとおいしい。幅広い世代の人たち、世界中の人たちにも、もっと認知してもらいたい。そういった意味で、どこまでできるかわからないけど、マグロの町清水から発信しし続けたいと思っています」

マグロ加工業者のフードロスを減らす取り組みは、持続可能な消費と生産のサイクルにつながっています。

LIVEしずおか 6月3日放送