一定の年収を超えると社会保険料の負担が発生し、手取りが減るいわゆる「年収の壁」。

女性が就労を抑制する要因になっていると指摘され、経済界からは見直すべきだとの声が相次ぎました。

経団連は長野県・軽井沢で毎年恒例の夏季フォーラムを開き、少子高齢化への対策や賃上げに向けた人材の育成などを柱とする提言をとりまとめ、岸田総理に手渡しました。

一方、パート従業員の人などの年収が106万円や130万円を超えると、社会保険料の負担が増えて手取りの収入が減ってしまういわゆる「年収の壁」。

日本経済が深刻な人手不足に直面する中、「女性の就労抑制に繋がっている」などとして、見直しを求める声が相次ぎました。

経団連 十倉雅和会長 
「大事なのは、働きたい人が働くと。社会保険料というのは、自分たちのためにするわけですから、そこのところの考え方をみんなで議論して納得してやろう」

三井不動産 菰田正信会長
「長時間働くと、逆に可処分所得が減ってしまうということにならないよう、法律の改正みたいなものも合わせて必要になってくるのではないでしょうか」

三井住友フィナンシャルグループ 太田純社長
「政府として考え直すべきだと思います。(働くことを)阻害するような制度が残っているのであれば、見直していくべきだと思います」

また、政府が解決策として期限を区切って保険料を肩代わりした企業に対し、従業員1人あたり最大50万円の助成金を支払う方向で調整していることについては「歳出が増えているので財政に与える影響をみて適正に配分すべきだ」と指摘する声が挙がりました。