アメリカ軍基地でPFAS漏出 下流で基準値超え検出

東京では古くから、豊富な地下水を水道水の一部として利用してきた。

きっかけは2018年、東京都が横田基地近くの、ある井戸を調査したことだ。
国が定めた基準値・1リットルあたり50ナノグラムの27倍の値が検出された。

地下水の流れのシミュレーションでは、横田基地が位置する上流から南東の立川市や国分寺市、府中市などへ水が流れている。都の調べで基準値を超えるPFASが検出された地域と重なる。
汚染源として、アメリカ軍横田基地が疑われた。

PFASの汚染源として疑われてきたアメリカ軍横田基地。
7月になって、アメリカ軍がこんな事実を明らかにした。

記者
「2010年から2012年にかけて、アメリカ軍横田基地では、PFASを含む泡消火剤の漏出が3件あったということです」

泡消火剤は、格納庫やドラム缶などから、3回にわたって漏出していたという。

PFASについて取材を続けるイギリス人ジャーナリスト、ジョン・ミッチェル氏に話を聞いた。

ジャーナリスト ジョン・ミッチェル氏
「アメリカの空軍基地には、消火訓練をするエリアがあり、ここでは、長年にわたって泡消火剤が散布されてきました」

ミッチェル氏が入手した漏出事故に関する軍の報告書。

2012年11月29日。
横田基地内の消防署。
「およそ800ガロンが漏出した」とある。

アメリカ軍の報告書
「消防隊員が泡消火剤の貯蔵タンクが空になっているのを発見した。タンクからゆっくりと漏れ出し、床の継ぎ目から土壌に浸透した。1年以上かけて漏出した可能性がある」

報告書では、「この事故を誰かに通知したか」という項目で、NOにチェックが入れられている。

ジャーナリスト ジョン・ミッチェル氏
「文書には、この事故のことは、日本の当局者には、誰にも知らされていないと明記され、私は、情報公開の在り方に疑問を感じます。これがアメリカで起きていた場合、周知されたはずだし、地域住民に対して、ボトル入りの水が提供されたことでしょう」

ミッチェル氏は、この事故で、PFASが地下水を通じて、基地の外に漏れ出た可能性があると見ている。

沖縄のアメリカ軍基地で、PFASを含んだ、泡消火剤の漏出が相次いできた事実を取材してきたからだ。

ジャーナリスト ジョン・ミッチェル氏
「アメリカ軍に汚染を正直に認め除去するよう、住民は声を上げて要求すべきです」