マンガの必殺技を現実で…一般道でのレースバトル

自動車の専門学校に通い、峠道で自動車を走らせる走り屋の若者たちを描いたマンガを愛読するなど、大の車好きだという被告の男。

夜の峠道のレースバトルでライトを消して姿をくらまし、そのすきに速度を上げて一気に追い抜く…。参考にしたのは、そのマンガに出てくる“必殺技”だった。

事故当時、別の車でともにドライブをしていた友人はこう証言している。

(友人の証言より)
「私が加速すると、後ろの男も加速してついてきて、赤信号の交差点で私の左側に並んで止まり、私にニコニコ笑っていた。青信号になると、男は急加速で走り去った」

しかし、被告の男が愛読するマンガで必殺技が繰り出されたのは、相手の車が前を走っていた時。事故当時は男の車が友人の車よりも前を走っていた。

検察側は「友人の車が見えないくらいかなり先行していて、相手を驚かす機会もない。現実とマンガの区別もできず、一般道での高速度レースバトルに酔いしれた」と厳しく指摘した。