長野県内では私立小学校の開校が相次ぎ、義務教育を一貫して行う義務教育学校を含め、2024年春の時点で10年前の倍以上に増えます。

少子化で公立の小学校の統廃合が進む中、なぜ急激に増えているのか。2024年春の開校を控える学校など、私学の現場を取材しました。

「レッスンを受ける準備はいい?」「Yes I Am!」


英語で話しかける2人の先生。

一方、授業の内容は「水に浮くもの・沈むもの」を調べる理科の実験です。

佐久長聖中学・高等学校を運営する学校法人が2024年春の開校を予定している小学校「サミットアカデミーエレメンタリースクール長野」の体験授業。

学校の最大の特徴は、英語で様々な教科を学ぶ「イマージョン教育」です。

■サミットアカデミー・イチカワドイル ウォルター校長
「子どもたちは、理科や算数などの普通の教科を英語で学びます。仲間と英語でやり取りすることも期待しています。一方でそれ以上に焦点を当てるのが、探究的な学習や分野を越えた学習など、国際的な教育です」

サミットアカデミーの小学校は長野市と佐久市に開設されます。

佐久長聖中学の敷地に建設される小学校の児童は、そのまま中学・高校へ。

長野校は、新設される中学から高校までの一貫校・中等教育学校の「セカンダリースクール」へ進み、どちらも12年間学びます。

長野市三輪(みわ)に建設中の長野校の校舎。

10月の完成を目指しています。

■サミットアカデミー設置準備室・平出淳史室長
「教室の間には壁がありますが、教室と廊下の間は一切壁を設けていない」

廊下と教室を隔てない開放的な空間。

図書館や職員室にも、廊下側の壁はありません。

■平出淳史室長
「(壁を)取り払うことによって、子どもたちの心の中の壁もひょっとしたら取り外されて、本当に自由な、個性を伸ばせるような学びができるところにつながるというのが、私たちの考え方です」

■学校法人長聖・イチカワドイル 徳恵理事長
「世界のどんな舞台でも、誰とでも堂々とコミュニケーションをする、自分を表現できる、そういうグローバルジャパニーズになってほしいと思っています」

6月の長野市での学校説明会には、およそ60組の親子が参加。

入学前の子どもたちが主に英語で進められる模擬授業を体験しました。

「イッツけん玉!」「3,2,1フロート!」

サミットアカデミーでは、クラスごとに日本人と外国人の2人の担任を配置。

様々な教科を英語で学び、実用的な英語力を身につけます。

■参加した子どもは
「楽しかった。(ここで勉強したいと思う?)思います」

■保護者は
「楽しみながら英語に触れることができていいなと思った。私立の学校なので、公立にはない特色に魅力を感じる」
「いろいろな言語に触れられるというのはすごく魅力的だと思った」

長野県内で開校が相次ぐ私立の小学校。

サミットアカデミーの開校で、2024年春には義務教育学校も含め10校となり、10年前の倍以上に増えます。

子どもの数自体は減っている中、なぜ学校の開設に踏み切っているのでしょうか。

■サミットアカデミー・イチカワドイル ウォルター校長
「私たちは少子化にそれほど関心を払っていません。むしろ世界の教育水準が高まっていることに感心がある。私たちが目指すのは、国際的な教育の基礎の最も良い部分を長野に取り入れ、長野の子どもたちに提供することです。